2015 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯固有の超希少放線菌・乳酸菌の遺伝的多様性の評価および遺伝子資源保存の基盤整備
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26304006
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
早川 正幸 山梨大学, その他部局等, その他 (30126651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乙黒 美彩 山梨大学, 総合研究部, 助教 (20635099)
山村 英樹 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (70516939)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微生物 / 分類学 / 遺伝子 / 応用微生物学 / 細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【既存のミャンマー産分離株】 製品評価技術基盤機構(NITE)が保有する新種推定ミャンマー産放線菌のうち、超希少放線菌であるPlanomonospora属、Virgisporangium属について詳細な分類学的な調査を行ったところ、既知種とは明確に区別できることから新種であることが分かった。また、新種と推定されるActinoplanes属55株について抗菌活性や二次代謝遺伝子の有無を調査したところ、84%の分離株に抗菌活性や二次代謝遺伝子が存在し、有益な遺伝子資源であることが示された。 【ミャンマー産微生物探索の多様性】 NITEと共同で行われたミャンマーの微生物探索で得られた放線菌分離株について16S rDNA配列を決定し、その多様性について解析を行った結果、28属74種におよぶ多様な放線菌を得る事が出来た。特に、日本では分離頻度の低いKrasilnikovia属がミャンマーでは多く分離されることが分かった。さらに、Geodermatophilus 属の新種と考えられる菌株が得られた。また、乳酸菌については、分離源を酵母との共培養を行う事で希少種を見出す事が可能である事が実証され、ミャンマー発酵食品中から5株の新規乳酸菌が発見された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【ミャンマーにおける微生物探索】H26年度に行ったミャンマーにおける微生物探索では放線菌と乳酸菌あわせて495株を日本に持ち帰り、H27年度は16S rDNAの塩基配列から属種の多様性を把握する事が出来た。 【既存のミャンマー産分離株】 NITEが保有しているミャンマー産の新種推定放線菌については2属2種について新種と断定され、論文投稿準備中である。この他にも新属と思われると放線菌の詳細な分類学的な解析を進めている。 【放線菌および乳酸菌の分離法の検討】 ミャンマーにおける微生物探索で得られた乳酸菌株の分類学的な多様性を調査した結果、酵母共培養法で新規乳酸菌を分離できることが実証された。
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Strategy for Future Research Activity |
ミャンマーで分離された放線菌についてKrasilnikovia属の新種提案を行う。また、乳酸菌についてもLactobacillus属の新種を提案すべく、分類学的な調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
NITEのミャンマー産微生物の利用料支払いが年度末に次年度分を支払う事(前納)になっているが、納品書および検収の関係で次年度に支払う事(後納)を余儀なくされたため、次年度に支払いを行うため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ミャンマー産微生物の利用料として使用する。
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