2014 Fiscal Year Annual Research Report
南西太平洋島嶼における間隙性動物相の解明と現在時間の砂浜環境記録の必要性
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26304011
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塚越 哲 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90212050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 有利子 日本大学, 文理学部, 助教 (00373001)
柁原 宏 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30360895)
藤田 敏彦 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, その他 (70222263)
佐々木 猛智 東京大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70313195)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 間隙性動物 / 生物多様性 / 間隙環境 / 西太平洋 / 島嶼 |
Outline of Annual Research Achievements |
11月にベトナム南部のフーコック島とニャチャン周辺の小島に赴き,調査を行った.サンプリングポイントはそれぞれ11地点と17地点に及んだ.また,12月にはベトナム北部のコトー島とカンラン島に赴き調査を行った.サンプリングポイントはそれぞれ9地点,11地点に及んだ. 採集された試料からは,節足動物(甲殻類),棘皮動物,緩歩動物,紐型動物,線形動物,軟体動物等が抽出された.現時点だけで少なくとも10種程度の未記載種が確認され,今後の研究の進展に伴ってより多くの未記載種が確認されることが予想され,順次新種として記載してゆく. 採取された標本の一部は,DNA解析用にアルコール保存の状態で持ち帰ったため,遺伝情報から,日本や他の近接地域間での系統的な考察が可能となり,調査地域の生物相の特徴が,複数の分類群から明らかにできると期待される. ABS(遺伝資源の利用から生じた利益の公正で衡平な配分)については特に配慮して調査を行った.初年度の調査地であるベトナムは,まだこれを批准したばかりで国内での対応は準備段階にあるが,今後の展開で必ずこの問題が生じることから,とりあえずMAT(研究機関同士の協定)を進めるために,研究代表者の所属する静岡大学理学部と2名の留学生が所属するRIMF(Research Institute For Marine Fisheries)およびIMER(Institute of Marine Environment and Resources)との間に協約書を交わした.また年度末に東京で国立遺伝学研究所が主催したワークショップ「ベトナムとの共同研究のあり方についてーベトナムの名古屋議定書国内措置の現状と将来ー」に2名の留学生とともに参加してこれについての最新情報を得た.また後に主催者から2名の留学生に対するインタービューの要請があり,静岡大学でそれに応じた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(平成26年度)はベトナムに限定して,2度に分けて南部および北部の島嶼を調査した.海外調査では,現地語を話せる同行者がいることが重要だが,今回は研究代表者が指導する2名のベトナム人留学生(現地では,2名ともベトナム政府所管の研究所職員)を案内役として同伴することによって,非常にスムーズに遂行できた. 得られたサンプルは各研究者によってソーティングされ,研究者間で共有され,各専門ごとの分類群について順調に検鏡・同定が進んでいる.また一部はDNA解析用に蓄積が開始された.また,研究代表者および分担者では同定不可能な分類群については,標本を他の研究者に譲渡して同定を進めている(緩歩動物,ダニ類等). 当初申請予算からの減額(約3割減)は織り込み済みであるが,円安が進行しているため海外での活動にやや支障を来すこととなり,一部を運営交付金によって補完した.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(平成27年度)は当初の予定通り全体予算が少ないことに加え,円安が進行しているため予算的にやや厳しくなっており,渡航を1度に限り調査を進めてゆく. コストパフォーマンスの良い調査を行うため,比較的航空運賃や宿泊代が安くなる10月ー11月期に,グアム島,サイパン島を7日ー10日程度で調査を完了するように計画を立てる.レンタカー等を効率よく使うことによって,島の規模が比較的小さいことから,十分な調査が可能であると思われる. ベトナム調査時にはABS関連で,協約書を交わすなど留意の必要性が生じたが,グアム島およびサイパン島については,アメリカ合衆国に所属するため,そのような手続きは不要である. 本研究課題の研究代表者および分担者は,6月に広島大学で行われる日本動物分類学会で一堂に会する機会を設け,1年目の反省点と2年目の調査計画について細かく検討してゆく.
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Causes of Carryover |
*DNA抽出・精製に用いるグアニジン酸チオシアネートを購入予定であったが,研究室にストックが十分量あったため今年度の購入を見送った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
*ストックが無くなり次第改めて購入する.
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] Interstitial ostracod fauna from Okinawa Islands2014
Author(s)
Tran, M.-H. & Tsukagoshi, A.
Organizer
ELSU symposium 2014- Evaluating our achievements in fostering environmental leaders towards a new goal-
Place of Presentation
B-nest Shizuoka City Industry-University Exchange Center, Shizuoka Cit Shizuoka Pref.y,
Year and Date
2014-09-29
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