2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ大陸におけるマダニ媒介性動物原虫感染症の流行実態の解明と予防対策の確立
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26304036
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 宏志 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60333473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白藤 梨可 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教 (00549909)
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アフリカ / マダニ / 原虫 / バベシア / タイレリア / アナプラズマ / 家畜 / 分子疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アフリカ大陸は、世界中で飢餓人口が最も多い地域である。家畜の生産性の向上を図ることはこの地域における飢餓対策として重要な位置を占める。この地域における種々の感染症は、家畜の生産性向上を妨げる最も重要な要因の一つとされる。とりわけ、マダニ媒介性原虫感染症による被害は深刻とされ、その実態解明が喫緊の急務となっている。そこで本研究では、アフリカ大陸におけるマダニ媒介性動物原虫感染症の流行実態の解明と予防対策の確立を目指して企画した。具体的達成目標として、アフリカ諸国における広範囲な実地疫学調査の実施;現地に適した簡易・迅速診断法の開発;現地に適した予防対策の確立;関連検疫機関への適切な助言の提供等を掲げた。本年度に実施した内容と成果は下記の通りである。 1)東アフリカのケニアとウガンダの畜産農家におけるマダニ媒介原虫・細菌感染症の発生・被害状況について、聞き取り調査を行った。2)ケニアで採集した牛血液サンプルについて、DNAを抽出し、PCRによるバベシア、タイレリア及びアナプラズマのDNA検出を行った。3)153検体中110(71.8%)にバベシア、タイレリア、アナプラズマのいずれかの一種類以上が感染していることが判明した。4)バベシア属の原虫の感染率は54.5%で、2種類の原虫(B. bigemina、B. bovis)が検出された。5)タイレリア属の原虫感染率は67.9%で、6種類の原虫(T. parva、T. velifera、 T. taurotragi、T. mutans、 T. orientalis, T. ovis)が検出された。6)アナプラズマ属の細菌感染率は7.8%で、1種類(A. marginale)が検出された。 以上の結果より、東アフリカのケニアにおける牛にはマダニ媒介性原虫・細菌感染症が広く蔓延していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りの研究が実施出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
ウガンダで採集したサンプルについては次年度に解析する。
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Causes of Carryover |
一部のサンプルについて、次年度に解析する必要性が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
東アフリカで採集したサンプルについて解析を進める。
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