2014 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル出生コホート研究:グローバルの母子保健課題解明に向けて
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26305020
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
森 臨太郎 独立行政法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 部長 (70506097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 えりか 独立行政法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部・政策開発研究室, 室長 (40625216)
竹原 健二 独立行政法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 研究員 (50531571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 途上国 / モンゴル / 社会医学 / RCT / 子どもの健康 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで出生コホートの調査フィールドとして、関わりをもってきたモンゴル国ボルガン県の母子の健康増進および、Quality of Life(QOL)の向上を目指している。これまでの出生コホートのデータの分析結果から、3歳児の13.1%がOverweightもしくはObeseに当てはまるなど、当該地区の母子の肥満が大きな健康問題であることが明らかになってきた。モンゴル国は冬季になると極めて寒く、外での活動量が減少することや、肉や乳製品を中心とした食文化など、肥満につながりやすい要因が多く挙げられる。こうした問題意識は現地のカウンターパートであるボルガン県保健局長および同県副知事らとのミーティングを通じて、すでに共有され、具体的な解決方法を模索することの合意が得られている。 本研究では、ボルガン県の小学生を対象に、学校における運動介入プログラムの開発とその有効性の評価を目的としたクラスター無作為化比較試験をおこなうべく、準備を進めた。近年、脳科学の分野において、運動介入をおこなうことが、運動能力の向上や、体脂肪の減少などによる肥満予防につながるだけでなく、判断・記憶・集中力といった認知機能の向上にもつながることが明らかにされつつある。 運動介入プログラムの開発について、1.楽しく、継続可能な内容であること、2.特別な機器や人材を必要としないこと、3.冬季でも体育館など屋内で実施可能であること、4.始業前などの30分程度で実施可能であること、5.子どもの変化に合わせた応用が利きやすいこと継続的に実施できること、といった条件を設け、これらを満たすための介入プログラムの開発を運動領域の専門家とともに試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り、平成26年度は研究実施に向けた準備期間として、現地のカウンターパートや、研究の実施に向けて様々な分野の関係者・専門家との意見交換をおこなった。現在、平成27年度に実施予定の研究計画の細部を検討しており、速やかに国内の研究倫理委員会、およびモンゴル国の研究倫理委員会への書類の提出、臨床試験登録などをおこない、研究の実施にとりかかる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
モンゴルの学校教育では、国語や数学の授業数が多く、体育の授業数は少ない。先に記した運動介入プログラムの開発に際して留意している5つの条件を満たすことと、実施時のロジスティックスの構築が重要になってくると考えられる。平成27年5月には、カウンターパートを日本に招き、研究実施に向けて集中的な意見交換をおこなう予定である。 研究を実施する上で、倫理委員会からの承認の取得と、臨床試験登録が不可欠となる。日本では国立成育医療研究センターの倫理委員会にて審査を受ける。また、モンゴル国ではモンゴル国立医学大学小児科学教室の小児科医・教員のカウンターパートに、倫理審査の申請担当者になってもらい、倫理委員会に書類を提出する予定になっている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は研究の実施準備の期間であり、当初の配分された費用よりも少ない金額で準備を進めることができたことと、平成27年度の研究の実施に向けて、より多くの金額を使えることが望ましいと判断したため、次年度使用額として繰り越しをおこなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施する運動介入プログラムに関するクラスター無作為化比較試験において、現地における調査の進捗状況の管理をより綿密におこなうための費用として用いる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The Maternal and Child Health (MCH) Handbook in Mongolia: A Cluster-Randomized, Controlled Trial.2015
Author(s)
Mori, R., Yonemoto, N., Noma, H., Ochirbat, T., Barber, E., Soyolgerel, G., Lkhagvasuren, O.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10(4)
Pages: e0119772.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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