2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26305021
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
床次 眞司 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 教授 (80247254)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギー問題とIT産業の発展に伴う希土類元素の急激な需要増加により、アフリカ大陸では地下金属資源の採掘が活発化している。その一方で、天然起源放射性物質(ウラン、トリウム、ラドン、トロンなど)による放射線被ばくが社会的な問題となっている。本研究対象国であるカメルーンではウランの再開発が行われているが、その周辺地域住民へのラドン等による自然放射能に起因する外部被ばくや内部被ばくが問題となっている。今年度は、Kitongo-PoliとLolodorf地域において、一般家屋内のラドン・トロン濃度調査を中心に、周辺環境における土壌中の放射能濃度測定や空間ガンマ線量率の測定を行った。ラドン・トロン濃度調査には、日本で開発されたパッシブ型ラドン・トロン弁別測定器が用いられた。今回70軒の家屋を対象として調査を行ったが、平均値としてラドン濃度90 Bq/m3、トロン濃度260 Bq/m3が得られた。全家屋数に対して国際放射線防護委員会が勧告する基準値(300 Bq/m3)を超える割合は2%程度であったが、トロン濃度については、300 Bq/m3を超える家屋は30%に及んだ。予備的な調査ではあるものの、アフリカの一般家屋におけるトロンによる被ばくを明らかにした点は世界で初めてである。土壌中の放射能濃度の結果によると、ウラン系列及びトリウム系列の放射性核種濃度レベルは世界平均値を上回る結果となり、自然放射線による被ばくは無視できないことが明らかとなった。今後は詳細調査に移行するが、日本での最新式の技術を駆使して、被ばくの実態を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の社会的状況、すなわち西アフリカを中心としたエボラ出血熱の蔓延や、隣国ナイジェリアなどにおけるイスラム過激派のテロ活動を鑑み、現地での調査を現地協力者に依頼することとした。そのような状況の中、世界で初めてアフリカにおける自然放射線による被ばくの実態解明の第一歩を踏み出したことを考えると着実な成果を得たと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は3年計画の2年目に当たり、本格調査への移行時期となる。26年度の予備調査を通じて得た結果を踏まえ、詳細な実態調査を行うこととなるが、幸いなことに、現地協力者がユネスコの研究助成金を獲得したため、本研究の進展に大きく寄与できると考えられる。今後も社会情勢を十分に考慮しながら、日本の測定技術の移転を念頭に、共同での現地調査や情報交換を積極的に行っていく。
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Causes of Carryover |
社会情勢を鑑み、日本人研究者による現地調査を見合わせたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には現地協力者が所属するヤウンデ大学での設備環境の確認を行い、調査内容の具体化を図る。
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