2016 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測による環境情報を用いたコレラ流行予測モデルの開発
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26305026
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橋爪 真弘 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30448500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅雄 長崎大学, 工学系研究科, 准教授 (00240911)
一瀬 休生 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70176296)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疫学 / 感染症 / 時系列解析 / 気候変動 / ケニア / リモートセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
東アフリカ、ケニア西部のビクトリア湖では近年アオコの発生が増え、水環境とコレラ流行の関連が疑われている。コレラの病原体Vibrio. Choleraeは水中のアオコなど植物性プランクトンに付着し流行期以外でも環境水中に存在することが確かめられていることから、本研究では、衛星観測によるビクトリア湖のアオコ分布、表面水温や降雨量データを用いてコレラ患者数との関連を時系列解析により検証し、コレラ流行予測モデルを開発することを目的とした。
昨年度収集したキスムからビタ地区にかけてヴィーナム湾沿岸の8病院における下痢症患者数の時系列データ解析を継続した。曝露因子であるビクトリア湖生態環境データに関しては、衛星データから抽出した環境情報(各病院周辺の植生指標や地表温度データ、および湖水温度・水位・ホテイアオイ面積・気象データ)を抽出し、時系列解析を行い、患者数との関連を精査した。タイムラグを考慮した一般化線形回帰モデルを用い、各ラグタイムにおける環境指標と患者数のリスク反応曲線を確認した。より詳細に関連を調べるため、病院周辺の道路網を考慮し各病院の診療圏を推定し、診療圏の環境指標を組み合わせた解析を行うことで、より精度の高い推定の試みを行っている。
基礎解析の結果をInternational Society of Environmental Epidemiology - Asia Chapter Conferenceで発表し、フィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境因子曝露によるラグタイムを考慮した患者発生との関連についてデータ解析を進め、解析結果を2016年6月のInternational Society of Environmental Epidemiology - Asia Chapter Conferenceにて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的の精緻化を図るため、当初計画に加えて医療機関へのアクセスを考慮し診療圏を設定したうえで、診療圏環境と患者数の関連をより詳細に調べるための解析を行う。
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Causes of Carryover |
時系列解析による各環境因子のリスク評価を精緻化するため、当初計画に加えて医療機関へのアクセスを考慮し診療圏を設定したうえで、診療圏環境と患者数の関連をより詳細に調べるための解析を行うことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加データ収集のための渡航費用および論文投稿のための費用を計上する。
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Research Products
(1 results)