2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26310208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 京都大学, 理学研究科, 教授 (50202057)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2019-03-31
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Keywords | 力学系 / 臨界的遷移 / 分岐 / 予兆 / 計算トポロジー / 時系列データ / ダイナミクス / 大域的構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い,今年度は以下のような研究を行った: 課題Aでは,臨界的予兆の検出に関する先行研究についての情報収集を行った.特に12月にモンテビデオ(ウルグアイ)で開催された国際会議 FoCM2014に参加し,主として画像の時系列データから臨界的遷移などのダイナミクスの情報を抽出する方法の開発を行っている米国の研究者 Miroslav Kramer 氏(Rutgers 大学)らと情報交換を行った.また,課題Bに関係する大域的分岐構造の研究を行っている Everyn Sander 氏(George Mason 大学)からも研究情報の収集や討論を行った.さらに,臨界的遷移の対極にある状況として,力学系の頑健性(Robustness)について見直し,諸科学における具体的な現象でのダイナミクスの頑健性について再検討を試みた. 課題Cでは,望月敦史氏(理研)の研究室を訪問して,血管ネットワーク形成の過程における血管リモデリング現象について研究討論を行い,その発生メカニズムについて数理モデリングや数値シミュレーションを行うこととなった. 課題Dでは,上記のMiroslav Kramer 氏(Rutgers 大学)や Konstantin Mischaikow 氏(Rutgers 大学)らと,persistent homology による画像の時系列データの取扱についての研究の現状に関する情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた先行研究については,かなりの情報収集ができるなどで研究を本格的に開始する準備が整った.また予備的な研究や関連する研究者との研究討論・意見交換により,研究の動向(方向性)についても一定の感触が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は,研究を本格的に開始し,研究計画に従って,Cristian Kuehn の研究に重点を置き,その大域的分岐理論 との関連を探る.また,persistent homology による画像時系列データ解析の方法の整備も行う.
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Causes of Carryover |
所属部局の公務などのために予定していた海外での研究会の参加をいくつか断念したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5月から8月に開催される,本研究の内容に密接に関係する国際研究集会に参加し,そこで研究討論を行うことにする.
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