2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the fish culture techniques based on a new food circulation system using an insect
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26310310
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三浦 猛 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00261339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 智恵美 広島工業大学, 環境学部, 教授 (90518002)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2019-03-31
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Keywords | 昆虫 / 動物性タンパク / 機能性物質 / 免疫賦活化物質 / 多糖 / 魚類養殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)前年度行ったメダカDNAマイクロアレイ解析の結果、昆虫由来免疫賦活化物質のメダカへの経口投与により腸管で発現が上昇する遺伝子群のうち、獲得免疫に関係するMHCクラスI関連因子のorla-UBA、免疫グロブリン重鎖IgVH、自然免疫に関係する補体Ca8、および細胞間結合に関係するClaudin 28bのエドワジェラ菌感染後の腸での発現をリアルタイムPCRにより調べた。その結果、いずれの免疫関連遺伝子も感染前および感染直後は、シルクロース投与群では発現量が多いものの、感染後12あるいは72時間では、シルクロースを給餌しない対照群ではこれらの遺伝子が著しく増加したのに対し、シルクロース投与群では、感染開始前の発現レベルにまで低下していた。これらの結果は、シルクロースの給餌により、これらの免疫関連因子の遺伝子発現の反応性が向上し、病原体感染後直ちにこれらの因子の遺伝子発現が誘導され、その結果として、感染を防御できたものと考えられた。
(2)昨年度開発した、成長抑制および免疫活性抑制に作用すると考えられるカテコールをはじめとする炭化水素類を除去する方法により最適化したイエバエミールを魚粉に置き換えて作製した飼料により、マダイの飼育試験を行ったところ、全ての魚粉をイエバエミールに置き換えても、魚粉のみの飼料と同様の成長を再現することに成功した。
(3)実際の養殖ブリおよびマダイに昆虫由来免疫賦活化物質を添加した飼料を1ヶ月間給餌して、養殖魚の状態を観察したところ、昨年示した飼育試験による結果と同様、昆虫由来免疫賦活化物質には飼育魚のストレスを低減する効果があるとともに、肉質および味にも付加価値を高める効果があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通り進行し、予想を超える結果を得ることができたが、論文の投稿に手間取り、主要な研究成果を記載した論文は現在投稿中、および投稿準備中となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果を原著論文として発表するために、補完実験を行うとともに、論文を執筆し投稿する。
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Causes of Carryover |
研究は計画通り進行し、予想を超える結果を得ることができた。しかし、論文の執筆に手間取り、平成29年度内に主要な研究成果を原著論文として一部分は投稿することができたものの、投稿論文については現在審査中であり、また、残りの成果は、現在論文を執筆中である。そのため、英文校閲の経費、投稿料、およびレビューアーの指摘への対応のための補完実験のための経費を使用することができず、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、英文校閲、国際誌への投稿、論文作成のための補完実験を行う経費として使用する計画である。
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Research Products
(12 results)