2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規食料循環システム構築:代謝インプリンティング、草資源とICTによる新牛肉生産
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26310312
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 貴文 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70294907)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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Keywords | 牛 / 代謝インプリンティング / 未利用地活用 / ICTファーム / ダイレクトマーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい生物科学的概念である「代謝インプリンティング」研究をシーズとして、世界に類のない脂肪交雑能力を持つ黒毛和牛と日本の豊富な植物資源を高度に活用した循環かつ環境保全型で安心・安全を提供出来る新規ウシ飼養管理プログラムを開発する。このパッケージには、社会問題である耕作放棄地の活用、それらの環境経済的評価、先端ICT放牧管理システムおよびダイレクトマーケティングシステムも含む。現在の畜産は、高騰する輸入飼料相場に翻弄される困難な経営、循環不可の過剰糞尿処理、BSE等の食の安全、脂肪過多牛肉の志向で硬直した流通、さらに集約的飼養による動物福祉等、多くの問題を抱える。本研究では、次世代型農業生産管理(畜産)プログラムを推進し、若い農業者が未来に希望を持ち畜産業を営めるよう畜産業を変革するとともに、新しいマーケット構築のための食料循環を網羅する牛肉生産実証研究を実施することを目的とした。平成26年度は、地域の未利用公共牧場(福岡県福岡市所有の脊振牧場)や耕作放棄地(佐賀県鹿島市)において繁殖牛及び代謝インプリンティング牛の放牧肥育を開始した。ここでは,現地の放牧肥育にあたって一部草地改良を開始した。しかしながら不十分な部分があり、今後さらなる戦略を計画予定である。一方,次世代型ダイレクトマーケティングの構築のため民間業者(株式会社ダイレクトマーケティング 田村哲二社長,株式会社イワタニアイコレクト 深津社長,株式会社コーデの占部恵子社長,株式会社まるひでの小野晃正取締役専務)と連携して、インターネット等でテスト販売を行った。また,放牧肥育現地には,スマートフォンを活用したICTファームとしてウシの餌付システム、測位システム,バイタルセンシングシステムを設置し,スマートフォンやタブレットを用いた放牧牛管理システムの開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい食料循環として、動物生産における生物科学的先端研究、飼養サイトに関する地方行政との調整、効率的・省力的管理のためのICT企業との連携、さらに農家にとって省力的で効率的なICTを活用したインターネット等を活用する販売マーケットコンサルティングとの調整等、比較的順調に進んでいる。しかしながら、推進において、それぞれ課題も多く、粘り強く本研究課題の目的を理解していただきながら進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、大学牧場における代謝インプリンティング研究も推進して、そこで生産された子牛を、耕作放棄地や未利用公共牧場にて、肥育する。また、そこに開発中のICTファームシステムを構築し、新規牛肉生産システムのモデル構築に挑む。また、別に生産された牛肉を用いて、ダイレクトマーケティング等を通じたマーケット構築の可能性を探りたい。本課題で提案するシステムをできるだけパッケージ化して、地域創生等に活用できる戦略となるように努力する。
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Research Products
(6 results)