2015 Fiscal Year Annual Research Report
住民の微量元素獲得から見た土地利用と環境適応の統合的研究
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26310314
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏原 和美 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 教授 (00345050)
小山 智之 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00377904)
池口 明子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (20387905)
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
宮川 修一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60115425)
小坂 康之 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70444487)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (80153344)
村山 伸子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (80219948)
小野 映介 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90432228)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2017-03-31
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Keywords | 物質循環 / 野生動植物 / 微量元素 / 食物 / 生業活動 / 土地利用 / パプアニューギニア / ラオス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、野生動植物の食物摂取を通じた自然からの微量元素摂取に着目して食物獲得の場所性と土地利用および資源獲得の特徴を明らかにすることと、ミクロかつ総合的な対象の研究方法の確立を目的とした。本年度はこれまでの調査成果をもとに、個別野生生物の微量元素からみた特徴とパプアニューギニアでの1年間にわたる住民の食事・生業活動のデータを集計しデータベース作成をおこなった。 これまでの研究で微量元素摂取に役立つと考えられる野生食料資源の一つとして昆虫があげられることがわかった。そこで調査対象地の一つであるジンバブエにおいて住民の食料源として特徴づけられるガの幼虫2種、シロアリ、アリ、カメムシの成分分析を行い、11種の微量元素含有を明らかにし、論文として公表した。 また、昆虫に関しては、世界的にあらたな有用食料資源として注目されているが摂取の実態に即した研究がみられず概念的な議論に留まっていることに対して、本研究ではミクロかつインテンシブな本調査によって得られるデータと注目点から栄養成分に関する実証的考察を行い、種による違い、環境差に留意することが必要であり、食生活全体を通じた摂取量も含めて、実態に応じた資源化の視点が必要であることを明らかにし、国際学会発表および論文公表をおこなった。 パプアニューギニアでは、食生活と物質循環を特徴づける基盤となるサゴ林の物質循環を明らかにした。また、収集した住民の1年間にわたる食事摂取状況について、住民属性・活動・日付・品目から分析できるようにデータ入力およびデータベース作成を行った。 ラオスでは、土地開発(森林伐採、都市化)、生活変化による野生食物資源利用の変化を調査し、水田および周辺での物質循環にかかわる複合的土地利用形態と多様な生物資源利用を明らかにし、学会発表、論文公表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査地である、ラオス、パプアニューギニアについてはデータを蓄積し、個別分析を実施し、総合考察への準備を進めており順調である。ジンバブエでは事例集落を設定インテンシブな住民の食生活調査を実施する予定で、これまで準備および予備調査を進めてきたが、現地の調査許可を得るのに難航し、2年度目に調査を実施できなかった。そのため実証データが得られないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査許可取得で難航しているジンバブエの現地調査にかわり、同様もしくはそれ以上に本研究の目的に適う好条件の生活と環境条件の良好な調査地を南アフリカ北部での予備調査により得ることができた。ここは、本研究に先立つジェネラルサーベイを行った時点で候補地にすることも考えていたところで、関係するリンポポ大学とも調査の協働体制ができている。2015年3月に調査とともに同大学で討議した結果、ジンバブエに比べ調査許可を得やすいことがわかった。すでに調査内容や体制のフォーマットはできているので、日程と人員調整によって対応可能である。適切な時期に現地調査を実施し、結果の分析に本年度後半に力を注ぎ、本研究において重要な比較研究の一つとして成果を提示できるよう努める。 パプアニューギニアついては、データベースをもとに、食生活の特徴と、住民の生活行動、土地利用との関連の分析を進める。 ラオスについては、補足調査を実施し、分析精度を高めることに努める。
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Causes of Carryover |
2015年度に予定していたジンバブエでの実地調査ができなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度の南アフリカないしジンバブエでの現地調査および分析、これまでの調査結果の比較検討のための分析、および国内会議費に利用する。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] On the introduction of paddy rice cultivation by swiddeners in Arunachal Pradesh, India2015
Author(s)
Kosaka, Y., Saikia, B., Rai, C.K., Hage, K., Asada, H., Hui, T., Riba, T., Ando, K
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Journal Title
Tropics
Volume: 24
Pages: 75-90
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Development, validation, and use of a semi‐quantitative food frequency questionnaire for assessing protein intake in Papua New Guinean Highlanders2015
Author(s)
Morita, A., Natsuhara, K., Tomitsuka, E., Odani, S., Baba, J., Tadokoro, K., and Umezaki, M.
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Journal Title
American Journal of Human Biology
Volume: 27-3
Pages: 349-357
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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