2016 Fiscal Year Annual Research Report
Systematic unification of fundamental data compression methods related to CSE
Project/Area Number |
26330005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横尾 英俊 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (70134153)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報基礎 / 情報理論 / データ圧縮 / CSE |
Outline of Annual Research Achievements |
部分列数え上げデータ圧縮法 (Compression by Substring Enumeration; 以下,CSE法) と呼ばれる無ひずみユニバーサル・データ圧縮法の高効率実現法を確立し,Burrows-Wheeler 変換 (以下,BW変換) との関連を複数の側面から明らかにすることで,関連する周辺の手法を含む統合的理解を深めた。データ圧縮はモデルと符号化という2側面を有する。CSE法および関連諸手法というモデルを実現するための具体的符号化についても考察を深め,ANS (Asymmetric Numeral Systems) と呼ばれる新規なエントロピー符号化法の導入の端緒を与えた。 より具体的には,CSE法をBW変換から導出することに成功し,BW変換に基づくデータ圧縮法がCSE法と同様の理論的性能を持ちうることを示した。さらに,BW変換からの導出法を変形させることでCSE法とは異なる関連法を導けることも示した。また,ANSについては,エントロピー符号化法としての漸近的な最良性を理論的に証明し,モデル実現の有力な手段であることを明らかにした。 研究期間全体を通じて,CSE法の効率的な実現法開発を基礎として,それとは異なるCSE法の導出を明らかにしたことで,実用的な側面とBW変換に基づくデータ圧縮法解析の理論的な側面とにおいて,関連する諸概念の整備という当初の目的を確実に達成することができた。CSE法の従来の理論解析に加え,より現実的な実現法を開発できた意義は大きい。さらに,ANSへの着目によって,モデル実現の新潮流を拓くことができた。
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