2016 Fiscal Year Research-status Report
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26330007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 修一 東京工業大学, 工学院, 教授 (30151814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / ナノ回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下のような重要な発見がありました. 1)直交半直線交差グラフの特別な場合である鎖グラフに対して,最大マッチングと点集合の双辞書式順序を求めるNCアルゴリズム(多項式個のプロセッサを用いて対数多項式時間で終了する効率的な並列アルゴリズム)を提案しました.後者のNCアルゴリズムは直交半直線交差グラフの最大完全2部部分グラフを求めるNCアルゴリズムにサブルーチンとして用いることができます.この問題はナノ回路の耐故障設計において重要な問題の一つです.2)直交半直線交差グラフの特別な場合である2部置換グラフの2部最密部分グラフ問題に対する近似アルゴリズムの高速化に成功しました.3)ナノ回路の耐故障設計において重要な問題の一つである部分グラフ同型問題が2部置換木と2部置換グラフに対してさえもNP完全であることを明らかにしました.4)データマイニングなどにおいて重要な問題である木の最大共通部分木問題の木のパス幅に関する計算複雑度を解明しました. その他にも以下のような結果を学術誌に発表しました. 5)グラフ上の回避ゲームにおいて必要な追跡者の数がグラフのパス幅によって制限されることを明らかにすると共に,必要な追跡者の数は3であるがパス幅が任意の大きさであるグラフが存在することも明らかにしました.なお,動的回避ゲームにおいて必要な追跡者の数が1であるための必要十分条件はグラフが2方向直交半直線交差木であることである,という興味深い結果が既に知られています.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノ回路の耐故障設計において重要である直交半直線交差グラフに関する部分グラフ同型問題及び最大完全2部部分グラフ問題等の重要な組合せ問題に対して直列・並列計算複雑度の理論を大きく発展させました.
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Strategy for Future Research Activity |
直交半直線交差グラフの特徴付けなどの構造理論の構築を進めると共に,様々な組合せ問題に関する直列・並列計算理論の構築を進めます.
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Causes of Carryover |
人件費を節約するなど効率的に使用したためです.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の未発表である研究成果を発表するための旅費等として使用する予定です.
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