2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Huge Graphs for the Design of Nano-Circuits
Project/Area Number |
26330007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 修一 東京工業大学, 工学院, 教授 (30151814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / ナノ回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究成果で未発表のものに今年度新たに得られた研究成果も加えて発表しました.今年度も引続き直交半直線交差グラフ(平面上の水平あるいは垂直な半直線の集合を点集合とし,直交する二つの半直線に対応する点対を辺で結んで得られるグラフ)の理論を発展させました.直交半直線交差グラフは次世代集積回路の革新的な技術として注目を集めているナノ回路の耐故障設計に応用されますが,超大規模グラフであるため効率的なデータ構造と高速なアルゴリズムが必要になります. ・ナノ回路の耐故障設計において重要な役割を果たす「直交半直線交差グラフの部分グラフ同型問題」が,直交半直線グラフの非常に簡単な場合である2部置換木と2部置換グラフに対してさえもNP完全であるあることを発表しました.これは「直交半直線交差グラフの部分グラフ同型問題」が非常に難しい問題であることを示しています. ・「グラフの双辞書式順序問題」を直交半直線交差グラフの特別な場合である2部凸グラフに対して解くNCアルゴリズム(多項式個のプロセッサを用いて対数多項式時間で終了する高速な並列アルゴリズム)を発表しました.「直交半直線交差グラフの双辞書式順序問題」を解く並列アルゴリズムはナノ回路の耐故障設計において重要な役割を果たす「直交半直線交差グラフの均衡完全2部部分グラフ問題」を解く並列アルゴリズムのサブルーチンとして用いられることから,この結果は「直交半直線交差グラフの均衡完全2部部分グラフ問題」を解くNCアルゴリズムを設計するという懸案の解決に向けての大きな一歩です. 研究期間全体の研究成果としては,超大規模直交半直線交差グラフに対する効率的なデータ構造と高速なアルゴリズムに関して大きな進捗があり,研究の目的を達成しております.
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