2015 Fiscal Year Research-status Report
長大系列データ処理のためのアルゴリズム設計技法に関する研究
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26330010
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤戸 敏弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00271073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 洋志 信州大学, 工学部, 准教授 (80434893)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハフマン符号化 / 最適二分木 / 頂点被覆数 / 初等的二部グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.代表的可逆圧縮技法であるハフマン符号化では,ハフマン木と呼ばれる最適二分木が用いられる.ここでは,与えられたn個の重みに対し,n枚の葉をもつ二分木を構成し,各重みを個別の葉に対応させる.そのように構成された木における葉の深さの加重平均が,その木のコストであり,最小コストであるものがハフマン木に相当する. 別の言い方をすると,葉に線形関数を割り当て,葉の深さの関数値の合計が最小となるような構成が求められるが,同問題には,ハフマン自身による高速(O(n log n)時間)アルゴリズムが知られている.ここで問題を拡張し,任意関数を葉に割り当てられるようにすると,一般化ハフマン木問題が得られるが,0-1関数に限定しても一般にNP困難になることが知られている. 本研究では,割り当て可能な関数として,非減少0-1関数およびその拡張(非減少2値関数)に制限した場合を考える.2値のうち一方の値が割り当てられる葉の集合を求める問題を,coin collector’s problem に帰着することで,O(nlogn) 時間アルゴリズムを設計する. 2.恒久的頂点被覆問題では,グラフの頂点上に何名かの守衛を配置し,外部からの任意辺への攻撃に対し,次の瞬間に守衛が攻撃された辺を通過して,隣接点へ移動することで,グラフを攻撃から防衛することを考える.ここで,任意回数の攻撃からグラフを守り続けるのに必要かつ最小な守衛数を,恒久的頂点被覆数というが,その計算は一般にNP 困難であり,木などのごく限られたグラフを除き,その値は知られていなかった.本研究では,木の各辺を初等的二部グラフ(もしくはクリーク)に置き換えて構成されるグラフについて,その恒久的頂点被覆数を導出する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,長大系列データ処理のためのアルゴリズムとして,主に最適離散構造および恒久的頂点被覆数を計算するアルゴリズムの設計ならびに性能解析を中心として研究を進めており,その結果,「研究実績の概要」に記したような成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降も引き続き、27年度の理論研究成果を発展させつつ,以下のテーマにも着手する. ・数理計画法に基づく系統的設計方の開発 ・局所探索法や貪欲法といった近似アルゴリズムにおける基本技法や,確率的ラウンディングや主双対法など,他の汎用テクニックの有効性についての検証.
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Causes of Carryover |
本年度の研究成果を年度内に国際会議で発表することが間に合わず,予定していた出張を延期したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度ならびに次年度中に得られる研究成果を,国内外で発表するための出張旅費として計画している.
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Research Products
(3 results)