2015 Fiscal Year Research-status Report
動的ネットワークにおける適応的な故障耐性をもつ分散近似アルゴリズムの研究
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26330015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
亀井 清華 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90434977)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 耐故障性 / 動的ネットワーク / 分散アルゴリズム / 自己安定性 / 安全収束性 / 分散近似アルゴリズム / モバイルロボットシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果としては,昨年度設計した最小連結支配集合問題に対する非同期システム上で安全収束性を持つ自己安定分散システムについて証明,分析を行い,論文誌に掲載されました.本アルゴリズムはユニットディスクグラフ上で近似比6を保証します.通常の自己安定分散アルゴリズムでは収束するまでに故障やトポロジーの変化が起こってしまうと,そこから新たに計算を始めることになりますが,安全収束性を持つアルゴリズムは,短時間で解の質を問わない安全な状況に遷移し,そこから安全性を崩さずに最適解に収束するというものです. また,k-制約を考えるために,(l,k)-相互排除問題についての考察を進めています.これは,相互排除問題を一般化したものであり,critical sectionに同時に入ることのできるプロセス数を上限からだけでなく下限も抑える問題です.これにより,少なくともl個の隣接プロセスが支配集合であり,かつ,その数は高々kであるという状況を目指します. さらに,記憶媒体を持たないロボットシステムにおいて,トーラス上を移動するモデルにおける集合問題についてアルゴリズムの設計を行いました.これは,各計算機の機能を極限まで絞り込んだ時に何処までの事ができるのかという興味に基づいています.センサーノードなど通信機器の機能が限られているような状況では,このような問題も無関係ではないと考えています.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
k-制約について考察していくと,様々な難しい点が考えられたため,(l,k)-相互排除問題に着目して,そこから解決策を模索することにしました.こちらの問題についても取り組みの途中である状況です.
また,昨年度作成したアルゴリズムについては,新たな応用方法も検討しております.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは(l,k)相互排除問題について,自己安定分散アルゴリズムの設計を行います.その上で,連結性が実現可能かどうかの検討を行います. また,最小連結支配集合問題について作成済みのアルゴリズムについては,支配集合のメンバーを単調減少させるような変更を検討しています.
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