2016 Fiscal Year Research-status Report
動的ネットワークにおける適応的な故障耐性をもつ分散近似アルゴリズムの研究
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26330015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
亀井 清華 広島大学, 工学研究院, 准教授 (90434977)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 相互排除問題 / 分散アルゴリズム / 支配集合問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果としては,局所的相互排除問題を局所的(l,k)-相互排除問題として一般化し,それに対する分散アルゴリズムを設計し,証明,分析を行いました.この結果については,国際会議での発表,及び論文誌への投稿を行い,採録されました. 局所的相互排除問題はネットワーク上の自身または隣接する計算機のうち,高々1台のみが危険域を実行できるという問題で,スケジューリングや資源共有などに応用されます.今回の一般化は,各計算機に対し,自身と隣接する計算機集合のうち,少なくともl台,高々k台が危険領域の実行を行うというものです.これにより,少なくともl個の自身か隣接する計算機が支配集合となります.この一般化問題もスケジューリングや資源共有,負荷分散などの応用が考えられます.例えば,自身と隣接する計算機のうち少なくともl台はサービスAのサーバの役割を,他はサービスBのサーバの役割をすれば,少なくとも|N|+1-k台のBのサーバに隣接することが保証されています(|N|は隣接する計算機の数).あるいは,故障耐性やスムーズなレスポンスを保証するために少なくともl台のサーバに隣接しておきたいけれども,その帯域やコストを考えるとその数を高々k台に抑えたいという要求もあるかもしれません.あるいは,少なくともl台はサーバとして動かしつつ,少なくとも|N|+1-k台は充電などのメンテナンスのためにサービスを停止させておきたいかもしれません.このように,この一般化は様々な応用が考えられます. 提案したアルゴリズムは自己安定性は持っていませんが,非同期システムで動くことを保証しています.今後,このアルゴリズムをもとに,自己安定分散アルゴリズムの設計も検討中です.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
k-制約についての考察の一環として,局所的(l,k)-相互排除問題という問題についてアルゴリズムを設計し,その自己安定化も検討中です.
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Strategy for Future Research Activity |
設計した分散アルゴリズムをもとに,局所的(l,k)-相互排除問題に対する自己安定分散アルゴリズムの設計を行います. その上で,連結性の保証についての検討を行う予定です.
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Causes of Carryover |
論文誌についてアクセプトはされましたが,掲載料の支払時期が次年度になってしまいました. また,国際会議には参加しましたが,すべて国内での開催の物となってしまいましたので,費用がかかりませんでした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既に論文誌はアクセプトの知らせを受け取っておりますので,その掲載費用として使用いたします. また,海外で行われる国際会議にも投稿中です.
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