2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on The Graph Isomorphism with Restriction
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26330018
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
名古屋 孝幸 公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 准教授 (90349796)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 制約付きグラフ同型性判定問題 / 計算複雑さ / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフ同型性判定問題(GI)は,与えられた2つのグラフの同型性を判定する問題である.GIの計算複雑さについては不明な点が多く,多項式時間で解けるのか,NP-完全であるか否かもわかっていない.それゆえ,GI及びGIに関連した問題に対する研究が盛んになされている. 本研究では,GIを拡張した問題に対する計算量解析を行った.問題の定義と得られた結果を以下に示す. 2つのグラフG, Hとそれらの頂点集合間の関係Rが与えられたとき,GからHへの同型写像fで,Gの任意の頂点vに対して対(v, f(v))がRに含まれないもの,すなわちRの要素を避ける同型写像が存在するか否かを問う問題を制約付きグラフ同型性判定問題(GIR)という.この問題は,グラフ同型性判定問題を拡張した問題であり,NP-完全であることが知られている.よって,一般のグラフに対してはこの問題を解く多項式時間アルゴリズムは期待できない.本研究では,入力グラフを部分k-木に制限した場合,GIRが多項式時間で解けることを明らかにした.更に関係Rがある種の推移的な性質を満たす場合,より高速なアルゴリズムが設計できることを示した. 2つのグラフG, Hとそれらの頂点集合間の関係Rが与えられたとき,GからHへの同型写像fで,Rを拡張するものが存在するか否かを問う問題をPrefix Set of Graph Isomorphism (PrefixGI)という.この問題は,GI-完全であることが知られている.本研究では,入力グラフを部分k-木に制限した場合のPrefixGIに対する多項式時間アルゴリズムを示した.このアルゴリズムは,Rの定義域が大きいほど効率的であり,PrefixGIをGIRに単純に帰着して得られるアルゴリズムよりも高速である.
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