2014 Fiscal Year Research-status Report
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26330044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大西 俊郎 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60353413)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統計科学 / Bayesモデル平均 / Bayes予測 / モデル選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が2011-2013年度に行った基盤研究(C)「鞍点等式を用いたBayes推測の新展開」では,Bayesモデル平均をBayes予測問題として定式化し,次の双対な事実を得た:(i) e-ダイバージェンス損失の下ではBayesリスク最小化は制約付きShannonエントロピー最大化と等価である.また,尤度最大化はあるクラスの中で最悪の予測になる.(ii) m-ダイバージェンス損失の下ではBayesリスク最小化は制約付き尤度最大化と等価である.また,Shannonエントロピー最大化はあるクラスの中で最悪の予測になる. 本研究の目的は,上記の事実を熱力学的視点から発展・深化させることであり,本年度の成果は次の2点である:(1) 損失関数をα-ダイバージェンスに拡張することによって上記の事実を統一的に理解できるようになった.α-ダイバージェンスは,α=+1のときe-ダイバージェンスになり,α=-1のときm-ダイバージェンスになる.双対性としてとらえていた事実をパラメータαを+1から-1まで変化させることにより「連続変形」の形で理解できるようになった.(2) 尤度およびShannonエントロピーを一般化した概念としてダイバージェンス共役量を定義した.これは最適予測分布が満たす等式においてα-ダイバージェンス損失と釣り合う量であり,α=+1のとき尤度を導き,α=-1のときShannonエントロピーを導く.また,ダイバージェンス共役量を最大化するとあるクラスの中で最悪の予測になることを証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「平成26年度の研究実施計画」欄で「損失関数を一般化し,Kullback-Leibler型損失以外の損失関数を採用した場合のモデル平均を研究する」と述べた.これをほぼ実行することができた.実際,α-ダイバージェンスを損失関数とする場合を議論し,尤度およびShannonエントロピーという統計学における基本概念に対する深い洞察が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書の「平成27年度の研究実施計画」欄で,Bayesモデル間の順序関係がBayesモデル平均において重要な役割を果たす凸汎関数をどのように規定しているかを明らかにしたいと述べた.このチャレンジングなテーマに本格的に取り組みたいと考えている.
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Research Products
(8 results)