2014 Fiscal Year Research-status Report
高次元および欠損データにおける多変量統計手法の開発とその応用
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26330050
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| Research Institution | Tokyo University of Science |
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Principal Investigator |
瀬尾 隆 東京理科大学, 理学部, 教授 (00266909)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 統計数学 / 統計科学 / 統計理論 / 多変量解析 / 漸近展開 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
データが一部欠測しているような欠損値データ，及び，高次元データに対する統計的推測理論の構築と統計的検定法の開発を行うことは重要な問題の一つであり，以下の３つの研究成果が得られている．
１．２標本問題における平均ベクトルの同等性検定について，３ステップ単調欠測データの下で検定統計量の導出と帰無分布に対する近似上側パーセント点を与えた．結果は標本数が少ない場合にも良い近似となるものであり，モンテカルロ・シミュレーションにより数値的評価を与えている．さらにこの結果を欠測の型が異なる２ステップ単調欠測データに適用することに成功している．また，１標本問題の場合で一般の単調欠測データの平均ベクトルの検定問題へ拡張することにも成功しており，結果については，論文としてまとめ，学術雑誌に投稿し，一部掲載されている．
２．２ステップ単調欠測データの下で，平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定については，既に得られている尤度比検定統計量に加えて，その近似分布の改良である，尤度比検定統計量の漸近展開を利用した近似と尤度比の分解を用いた近似を提案し，その精度をモンテカルロ・シミュレーションにより検証している．その成果は査読付き学術雑誌に投稿し，採択されている．さらに，この問題を２標本問題に拡張することを考え，尤度比検定統計量の導出と修正尤度比検定統計量の提案，そしてその分布の近似上側パーセント点については，線形補間によるものと漸近展開によるものを与え，また，尤度比を分解することによって，カイ２乗近似を良くするための新たな検定統計量も与えている．
３．その他の研究実績として，高次元データの下での２群判別について議論し，新たな誤判別確率の漸近近似を導出し，多変量正規性検定問題についてもいくつかの結果を得ている．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した２標本問題における３ステップ単調欠測データの下での平均ベクトルの同等性検定については予定通りの研究成果が達成できた．さらに１標本問題の下ではあるが，一般のステップ（k-step）単調欠測データに対する平均ベクトルの検定の検定統計量の導出に成功した．
また，２ステップ単調欠測データの下での平均ベクトルと分散共分散行列の同等性検定問題についても新たな検定統計量の導出などある程度予定通りの研究成果が達成できている．
高次元データの下での２群判別分析に関する誤判別確率の漸近近似については，成果をまとめ投稿中である．
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| Strategy for Future Research Activity |
まず，平成２６年度に得た研究成果について，投稿中の論文の査読結果に対する対応を考えることと，１標本問題の一般ステップの下で得た成果を２標本問題に拡張することを検討し，成果をまとめて論文として発表する．また，２標本問題における２ステップ単調欠測データの下での同時検定に対する検定統計量については更なる改良の余地があり，平成２７年度以降の研究課題として進めていく．また，その他関連するものとして，部分ベクトルの検定問題も研究課題として残されており議論していく予定である．高次元データに対する統計的推測理論の構築と統計的検定法の開発については，平成２６年度は判別分析を中心に行ってきたが，欠損値データにおける統計的検定法に関する課題が数多く残されているため，欠損値データに関するこれらの問題を中心に行っていく．
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| Causes of Carryover |
当初の予定では，国内の学会発表のための国内旅費，また，海外の研究者との情報交換・議論のための外国旅費を計上していたが，海外の研究者とのお互いのスケジールなどの調整がうまくいかなかったことや学生アルバイトの費用の増加とその他（英文校正）の費用が増えたことによって，外国旅費を使用しなかったことが大きな理由の一つである．また学会発表旅費として使用予定だった国内旅費および物品費については，学内研究費を使用したことも理由として挙げられる．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する．
具体的には，研究打合せのための外国旅費，および，学会出張（統計関連学会連合大会（岡山大）など）のための国内旅費，学生アルバイト料のための人件費・謝金などに使用する計画である．
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