2014 Fiscal Year Research-status Report
社会科学系学部学生向けの統計教育法と学習成果評価法の研究
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26330051
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山口 和範 立教大学, 経営学部, 教授 (60230348)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統計教育 / e-learning / ブレンド型学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
1990年代半ば以降統計教育のカリキュラム改革が、諸外国で精力的に行われており、日本においてもその改革の兆しがようやく現れている段階である。この研究では,国内の統計関連学会や国際統計協会(ISI)統計教育分科会(IASE)など統計の普及をひろく専門的に協議する諸学協会、さらに海外の先進事例を持つ大学との連携の下に、国際標準に準拠した社会科学系の学部学生用の統計学習のための教材並びに教育方法の開発、学習成果評価の枠組みの確立に必要な調査研究とその具体的開発を行い、その公開を通して広く社会科学系学部学生向け統計教育の改善を目指すものである。 具体的には、米国の統計教育に関する先進的な複数の大学、英国の王立統計学会統計教育センター、さらに、国内の統計関連学会、国際統計協会(ISI)統計教育分科会(IASE)など統計教育をひろく専門的に協議する諸学協会との連携の下に、国際標準に準拠した社会科学系の学部学生用の統計学習のための教材開発、学習成果評価の枠組みの確立に必要な調査研究と具体的開発および評価と改善を行い、その公開を通して広く社会科学系学生向け統計教育の改善を目指す。 本研究では「国内海外の学習コンテンツや教育事例の収集とその評価研究」、「統計及び社会調査学習のためのe-learning教材の開発・改善とブレンド型教育方法の研究」、「コンピテンシィ形式での学習成果評価方法の研究」の3段階の研究を遂行し、社会科学系学部学生向け教育教材の開発と学習成果の評価方法を伴う統計教育方法の確立を目指す。 今年度は、「国内海外の学習コンテンツや教育事例の収集とその評価研究」、「統計及び社会調査学習のためのe-learning教材の開発・改善とブレンド型教育方法の研究」に関する研究を行い、その成果の一部であるe-leraning教材やブレンド型教育方法に関する成果は、国内外の学会で発表済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度の学会発表および、2015年7月に開催される統計教育に関する国際会議での論文発表も採択されており、その成果に対する対外的な評価も得られており、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して国内海外を問わず統計や社会調査にかかわる教材や学習コンテンツと教育プログラムや教育事例の収集を行う。ここ数年にわたり今回の申請研究を行うための準備として、研究代表者が、米国のミネソタ大学、カリフォルニア大学、ニュージーランドのオークランド大学および、英国の王立統計学会統計教育センターなどを訪問し、事前調査を行っている。2014年度はその調査結果のとりまとめと分析、および、必要に応じた追加調査を行ったが継続して2015年度も実施する。さらに研究代表者が参加している日本統計学会の統計教育分科会の関連の研究集会等で講演や意見交換を行うことで、国内における教育事例についてのとりまとめと日本統計学会統計教育分科会との連携をはかる。海外の統計教育関連の学協会との連携のため、研究協力者として6名の海外共同研究者が申請研究プロジェクトに参加しているが、2015年7月に開催される統計教育に関する国際会議の際に会合を開催する。 また、統計学習においてその具体的な分析経験が重要であることは、多くの研究者がこれまで指摘しており、本研究の海外共同研究者であるGarfieldおよびUtts両教授が中心となりまとめられた米国統計学会のGAISEレポートでも強調されている。2015年度は、どのような教材で統計を学習し、どのような練習問題に取り組んだかという通常のポートフォリオに加え、具体的なデータ分析の実習の記録に重点をおくシステムの開発をスタートさせる。
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