2015 Fiscal Year Research-status Report
多レベルセルフラッシュメモリ用多値単方向誤り制御符号の研究
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26330059
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北神 正人 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (20282832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 誤り訂正符号 / フラッシュメモリ / 単方向誤り / 多レベルフラッシュメモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はフラッシュメモリの誤り特性を考慮した符号の適応方法について検討した.フラッシュメモリは消去(フラッシュメモリでは値の更新前に必ず消去を行う必要がある)の回数が増えるにしたがってメモリセル(1ビットあるいは固定数の複数ビットを記憶する記憶の最小単位で通常トランジスタ1個で構成される)の誤り率が上昇する.そこで,使用開始直後のセル誤り率の低い状態では誤り訂正能力の小さい符号を採用して検査長を削減してメモリ空間を有効利用したり符号化・復号時間を短縮して高速動作を可能にしたりする.消去回数が大きくなってセル誤り率が上昇した時には誤り訂正能力のより強い符号に変更する.これによってメモリセルの誤り率が上昇したとしても装置自体の誤り率を実用可能なレベルまで引き下げる.今回は単純なケースとして2段階の誤り訂正能力の符号を切り替えるモデルを採用してシミュレーションを行った.シミュレーションの結果から符号を切り替える目安を求めた. また,利用する誤り訂正符号としてはこれまでブロック符号のみを対象としてきたが,畳み込み符号には確率的復号法を利用して復号に時間をかけると多くの誤りを訂正可能な符号が存在する.そこで,畳み込み符号の適用の可能性を探るために畳み込み符号の調査を開始した.具体的には少ない検査情報でより多くの誤りが訂正できるTail-Biting復号法の適用可能性を調べ,適用の可能性を調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を進めるにあたっての具体的な符号構成法が得られているため,おおむね順調に推移していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は各手法の完成度を高める.成果を学術論文にまとめて,国際会議で発表したり論文誌に投稿したりする.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は前年度未使用額よりも千円程度増えただけである.すなわち,前年度未使用額がそのまま次年度に繰り越されたといえ,今年度の使用額は予算とほぼ一致している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は論文誌への掲載料がかかるが,ページ数が増加すると割増料金が発生する.次年度使用額は論文のページ超過に備えた経費とする.
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