2014 Fiscal Year Research-status Report
専用ハードウェアを用いたデータストリーム管理システムの開発
Project/Area Number |
26330061
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
吉永 努 電気通信大学, その他の研究科, 教授 (60210738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 真聡 電気通信大学, その他の研究科, 助教 (00548000)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ストリームデータ処理 / リコンフィギャラブル計算 / FPGA / 集約演算 / 専用ハードウェア / 動的再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究成果は,以下の通りである. 1.高速・低電力なストリームデータ処理用ハードウェアの開発: ストリームデータ処理用ハードウェアとして,ユーザがSQL言語で記述したクエリを実行するConfigurable Query Processing Hardware (以下,CQPHと呼ぶ)を開発し,FPGAに実装した.CQPHは,グループ毎の集約演算クエリを1タプル/クロックサイクルで実行可能である.また,CQPHは実行するクエリを低コストで変更可能なことに特徴がある. 2.CQPH用クエリコンパイラの開発: ユーザがSQL言語で記述したクエリをCQPHで実行するためのクエリコンパイラを開発し,実験により正しく動作することを確認した.CQPHコンパイラは,ユーザによって与えられるクエリをパース/コンパイルし,CQPH専用のクエリ構成情報を生成する.クエリ構成情報は,コンフィギュレーション・タプルと呼ぶ単位に分割し,CQPHへストリーム転送することによってCQPHの動的な設定を実現する. 3.ストリームデータ処理アプリケーション実験: 入力ストリームデータに対してグループ毎に集約演算クエリを実行するアプリケーションの性能評価を行った.入力ストリームデータとして,NASDAQ25種銘柄のログデータを実験用に<Simbol, Price, Volume, Time>の4つのフィールド(各32ビット)のタプル(4x32-bit=128-bit)にフォーマットし,100万タプル/秒程度の入力スループットでCQPHに入力した.実験により,CQPHはグループ毎の集約演算クエリをソフトウェアに比べて10~100倍の高スループットで実行することを確認した. 以上の研究成果は,現在国内特許出願中,米国学会論文誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書の研究目的に記載した下記1と2については,概ね順調に進んでいる.ただし,研究成果の特許出願と論文誌への投稿のため,27年度に予定していたこれらのチューニング,個別評価を26年度に前倒して実施した.このため,下記3に関わる実アプリケーションの開発にやや遅れが出ている. 1.高速・低電力なストリームデータ処理用ハードウェアの開発 2.上記専用ハードウェア用クエリコンパイラの開発 3.上記1と2を用いたデータストリーム管理システム(DSMS)の構築とストリームデータ処理の実アプリケーションを用いた有効性検証
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Strategy for Future Research Activity |
上記【現在までの達成度】に記載の通り,既に27年度実施計画の一部を先行して進めており,ここまでの成果は外部から良好な反響を得ている.実アプリケーションの開発と評価は,企業等との共同研究が必要なことから引き続きその可能性を探る. また,26年度に実施したストリームデータ処理における集約演算に対する良好な研究成果から,他のデータベース演算に対する本研究手法の有効性の見通しを得ており,27年度はそれに関しても探求する予定である.具体的には,ストリームデータ処理におけるスライディングウィンドウ内の結合演算について,同様なアプローチにより高スループット,低レイテンシ,低電力なクエリ実行エンジンの実現に取り組む.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,主に購入予定であった実験用FPGAボードの発売メーカからの発売時期が予定よりも遅れたためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由により,26年度購入予定であった新しい実験用FPGAボードを27年度に購入する.翌年分として請求した助成金は,主に旅費や成果発表のための学会参加費等に使用する.
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Research Products
(4 results)