2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26330067
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大竹 哲史 大分大学, 工学部, 准教授 (20314528)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | FPGA / フィールドテスト / 特定用途依存テスト / 遅延故障 / 故障診断 / BIST / 耐故障設計 / 劣化検知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本テーマでは,フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)上に搭載された回路の高信頼化を実現するため,使用環境でのテストおよび診断(フィールドテスト)のための要素技術となる(1)線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR),(2)レジスタ転送レベルのテスト容易化設計(DFT),(3)通常動作モード/テストモード切り替え制御,(4)高品質遅延故障組込み自己テスト(BIST),(5)BIST環境での遅延故障診断について研究を行っている. 平成27年度は,(1)については前年度に設計した外的ノイズやソフトエラーに耐性をもつFPGA上のBIST機構について評価を行い,研究会論文で発表した.(2)については,前年度の調査に基づき,単一制御可検査性に基づく手法として,単一制御並行可検査性を用いることとしてシード生成に関する評価を行い,国際会議論文で発表した.また,FPGA上に搭載する回路設計はレジスタ転送レベル(RTL)から行われることから,FPGAの論理合成ライブラリを用いてテストパターンを生成する実験環境を整備して,遅延故障に対するテスト生成評価実験を行った.さらに,(3)については前年度に設計したモード切り替え機構を実装して動作を確認し,国際会議で口頭発表を行った.(4)についてはさらに,微小遅延故障を検出するための高品質シード生成法を検討し,予備実験を行った.次年度には完全な評価が行える見込みである.また,MISRを考慮したシード生成法について評価を行い,研究会論文として発表した.(5)についてはまず,通常のLSI向けの診断テスト生成法を実装・評価し,国際会議論文として発表した.さらに,BISTで診断を行うための診断シード生成法を設計し,予備実験を行った.これについても次年度には完全な評価が行える見込みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究項目について,平成27年度までにすべて着手しており,それぞれの要素技術の設計は終了している段階である.一部完全な評価実験が行われていない項目があるが,次年度はじめには完了できる見込みがある.また,完全な評価が完了したものについては,国際会議論文として発表済みである.次年度(最終年度)における要素技術の統合については,予定通り着手できる見込みであり,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はほぼ予定通りに各項目について技術あるいは手法を確立し,評価を進められているため,今後の研究計画に変更はない. 各要素技術に関する評価については,既に作成している実験環境を活用して効率よく行う. 故障診断技術については,先行技術を持つ研究グループと情報交換を行い,それぞれの持つ技術を活用している.平成27年度は前年度にその研究グループと締結したNDAを活用し,具体的な研究テーマについて議論を行った.本研究でカバーできない派生領域について,その研究グループが代表となり,共同で新しい課題として基盤研究(C)に申請して採択されており,最終年度はさらに協力関係を強化して情報交換を行う.
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Causes of Carryover |
本年度は,国際会議での成果発表のための出張旅費を支出する必要があり,昨年度の繰り越し分も含めそれに多くを充てる予定であったが,大学院生3名分の旅費について他からの助成が得られたため残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も成果発表旅費および論文掲載料等の支出が予想されるため,まずそれに充当することを優先する.実験用の設備については,必要性と予算の状況に応じて検討する.当初予定していたFPGAの購入については,予算状況が変わったため購入は見合わせる.平成27年度にシミュレーションによりテスト品質を評価するための環境を整えることができたため,最終年度はFPGA購入の代替としてシミュレーションによる評価を行うこととする.
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