2014 Fiscal Year Research-status Report
不連続ガレルキン時間領域法に基づく電磁界・回路混合解析に関する研究
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26330068
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
渡邉 貴之 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (90326124)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DGTD法 / SPICE / 電磁界シミュレーション / 回路シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高密度実装を対象として、その信号品質・電源品質・電磁波ノイズをシミュレーションにより予測するための高速高精度な回路・電磁界混合解析手法の確立を目指している。従来の回路・電磁界混合解析手法では、電磁界解析の手法としてFDTD法が広く用いられてきた。しかし、FDTD法は境界適合性や数値拡散特性に欠点があり、近年、DGTD(不連続ガレルキン時間領域)法が有望視されている。 本年度は、DGTD法による電磁界解析領域と回路解析領域との接続アルゴリズムの基礎理論構築を行った。電磁界・回路混合解析を実行するためには、電界・磁界と電圧・電流の相互変換と時間・空間的な同期が必要となる。先行研究を参考としつつ、一般的な修正節点解析法や節点解析法で表現された回路行列との混合解析アルゴリズムを開発するために、基礎的な2次元問題に対するDGTD法の解析アルゴリズムをMATLAB上に実装した。電磁界領域の端子部の電界から回路領域での電圧を算出し、回路領域に対して等価電圧源として印加し、さらに等価電圧源に流れる電流を電流密度に変換し、電磁界領域の端子部に印加する手法について検討した。少数の線形受動素子からなる回路を接続し、DGTD法との混合解析が可能であることを確認した。 次に、能動素子を含むより大規模な回路解析が可能なSPICE型やLeapfrog型回路シミュレータとの混合解析を実現するために、MATLABで記述した2次元DGTD法の基礎プログラムを基にC/C++プログラムを実装した。また、回路シミュレータ側としては、ソースコードが公開されており自由に改変が可能なSPICE3F5をベースとした連携機能の実装を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、DGTD法シミュレータと回路シミュレータとの混合解析の実現までを予定していたが、回路シミュレータ側の改変に時間を要しているために、MATLAB上での簡易回路解析との連携の確認に留まっている。そのため、粗メッシュ、細メッシュ、能動回路との連携解析などの比較検証の実施に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在遅れている回路シミュレータ側の連携機能の実装を最優先として完成させる。また、当初26年度に実施予定としていたアダプティブメッシュと回路解析との混合解析アルゴリズムの理論構築については27年度の前半に実施し、その後アルゴリズムのマルチCPU/GPUによる並列化の検討を開始する。
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Causes of Carryover |
ほぼ当初予算案通りの支出となったが、物品費等について支出が減少したことから、少額の次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額であり、旅費として充当する。
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