2016 Fiscal Year Research-status Report
言語独立・ハッシュ値・行粒度の追跡子による,ソフトウェア追跡性の高精度な確保
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26330077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
権藤 克彦 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (50262283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソフトウェア保守 / ソフトウェア追跡性 / 追跡子 / ハッシュ値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は言語独立・ハッシュ値・行粒度の追跡子のソフトウェア的実現,ソフトウェア追跡性の高精度な確保である.要件として耐ファイル移動性,言語独立,文脈独立, 容易性,保守性,理解性が必要との結論に達した.本年度は昨年実装したTCC (tracer-carrying code)の実装をさらに進め,PDF版とOSのシステムカットバッファ版の設計と実装を行った.また,TCCシステムの応用事例として,小さなiPhoneアプリの開発を行い,この範囲ではあるが,有用であるという実例を得た.主な実例は具体的には次の2点である. (1)バックグラウンドでは動作しない機能(CoreMotion)をバックグラウンドで動作させるために,バックグラウンド動作が許された他の機能(例えばGPSサービス)と組み合わせれば実装可能である,という実装根拠として,4つのURL先の情報をTCCの追跡子として保存できた. (2) 実装中の疑問や問題(issue)の記録にも役立った.使用が非推奨(deprecated)とされたAPIしか実装方法が見つからなかった事例に対して,あえて非推奨なAPIを使用した理由をTCCの追跡子として保存できた.ソースコード埋込み型の issue tracking systemとして使用できることが判明した. また,TCCシステムとは別に,電子画像データ中に埋め込む追跡子としてRIC (robust index code)という新たなカラーコードを提案実装した. 通常のSNSへのアップロード時の発生する圧縮に対して,RICでは情報が喪失しない(頑健である)ことを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追跡子のプロトタイプ実装として,さらにPDF版とOSのシステムカットバッファ版の2種類を実装できたこと.また小さなiPhoneアプリの開発に実際に使用し,有効という結果を得られたこと.
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Strategy for Future Research Activity |
TCCシステムのプロトタイプ実装の完成度を上げつつ,TCCシステムを用いてさらなる予備実験を行い,洗練と拡張を試みる.
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Causes of Carryover |
海外発表の費用を他の予算で支払ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外発表等の費用として使用する.
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