2017 Fiscal Year Research-status Report
言語独立・ハッシュ値・行粒度の追跡子による,ソフトウェア追跡性の高精度な確保
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26330077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
権藤 克彦 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (50262283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソフトウェア保守 / ソフトウェア追跡性 / 追跡子 / ハッシュ値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は追跡性に関する応用技術あるいは関連技術として,以下の研究を行った. ・電子画像データに埋め込む追跡子 RIC (robust index code):昨年度,提案実装した電子画像データ中に埋め込む追跡子としてRIC (robust index code)の超流通システム (super distribution system)としての有用性を議論し,RICを利用した画像超流通システムは,ラッパが削除可能であるが,追跡子に紐付けたコンテンツは複製不可能であること,AmazonやNetflixなどのコンテンツ・プラットフォーム方式に比較してアクセス容易性や著作権者の利益の点で優れることなどを明らかにした. ・プログラム開発中のコード断片を,編集中のプログラマの表情や独り言に紐付ける追跡技術 CodeCAM:既存のツールやIDEへの変更が不要で,かつ言語独立に実装するために,キーロガーを用い,その入力列とコード断片中を紐付ける新しい方式を提案実装した.予備実験では,殆どの時間は無表情だが,起こした表情の中では「幸せ」と「驚き」が主であり,表情とアクションに相関があるという結果を得た. ・パターンマッチングのためのデータフローグラフ抽出器の実装FGyama:ソースコードの静的解析においても,追跡性は重要であり,制御やデータの依存関係をいかに辿るか,それをどう表現すべきかは自明ではない.この研究では,各変数を個別に扱い,データ間の依存関係を重視した新しいデータフローグラフを提案・実装した.予備実験としてクローン検出への適用結果を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年までで提案実装したTCCシステムの知見の応用として,(1) 電子画像データに埋め込む追跡子 RIC,(2) プログラム開発中のコード断片を,編集中のプログラマの表情や独り言に紐付ける追跡技術 CodeCAM,(3) パターンマッチングのためのデータフローグラフ抽出器の実装FGyamaの研究成果をあげたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度行った追跡性に関する研究,および昨年度までのTCCシステムをさらに洗練・拡張しつつ,まとめて総括し,次の研究の方向性を検討する.
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Causes of Carryover |
2017年度に予定していた国内研究会での発表を,研究をさらに充実させて2018年度に発表することにしたため残額が生じた.残額は、発表のための旅費として使用する予定である。
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