2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26330078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
増原 英彦 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (40280937)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ライブプログラミング / ユニットテスト / 実行履歴型デバッガ / データ構造 / メンタルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
開発者の知識をソフトウェア開発環境で活用する試みとして開発者の編集行動に即時のフィードバックを与えるライブプログラミングシステムの研究を行った。これらは前年度から行っている試みの継続である。 ライブプログラミングシステムは、試行錯誤や誤りの早期発見に適していることで注目されているが、本研究課題で行っているような開発者の意図を推定によって、フィードバックをより適切なものにすることが可能になると考えられる。この発想の下、本年度は以下の2点について研究を進めた。 (1)ライブプログラミング環境の効果のモデル化に関しては、これまで即時のフィールドバックがどのようにプログラミング体験を変化させるかが不明であったところ、我々は実験的なライブプログラミング環境を使用した経験を基に、特に誤りを発見するタイミングに影響を与えている可能性に注目してモデル化を行った。さらに予備的な実験を数名の被験者を対象に行い、モデルが不足する点や他の要因についての検討を行った。この結果は、日本ソフトウェア科学会プログラミングとプログラミング言語ワークショップにおいてポスター発表された。 (2)リスト構造や木構造を代表とするデータ構造とそれに対する処理を記述する際に、ライブプログラミング方式でデータを自動的グラフィクス表示するような開発環境を設計し、予備的な処理系を作成した。データ構造に関する処理は、参照関係が複雑になるためにコード動きを理解するのが困難なため、ライブプログラミングによる効果が高いであろうという予想に基づいている。予備段階ではあるが、構想と処理系作成の際の問題解決を中心とした内容で、情報処理学会プログラミング研究会での発表を行った。また国際会議<Programming>に併設されたワークショップProgramming Experience 2017 (PX/17)においても発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライブプログラミングシステムに関する研究を中心に進めていて、新しい研究テーマにつながる課題の発見と、その第一歩に踏み出すことができた。今後の発展も大いに期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究において大きな進展があったライブプログラミング環境に関する研究を中心に進めてゆく。特にデータ構造に対するライブプログラミングに関しては、これまで研究されていなかった課題が多くあることが分かったため、それらに関して重点的に研究を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
本年度導入を予定していた実験システムの開発用のパーソナルコンピュータ等を、他のプロジェクトで導入した機器を共用することで対処できるために見送ることとした。また、投稿を予定していた論文を1件見送ることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の研究からHuman-Computer Interaction分野における研究が密に関係することが分かったため、当該分野の国際会議における発表および情報収集を追加的に行う予定である。
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Research Products
(8 results)