2015 Fiscal Year Research-status Report
再合成可能な半順序分割による分散システムの振る舞いモデル自動合成
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26330083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 俊幸 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトウェア開発効率化・安定化 / ソフトウェア工学 / アルゴリズム / 情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
高信頼ソフトウェアの開発は,安心・安全な社会を実現する上で必要である.ソフトウェアの信頼性を高める方法の一つとして,プログラムの自動合成がある.良い仕様から仕様を満足するプログラムを自動合成することができれば,信頼性の高いソフトウェアが開発される.本研究では,分散システムにおけるモデルベースのソフトウェア開発を対象として,抽象的な要求仕様(シナリオ)から,分散システムを構成するモジュールの振る舞いモデル(状態機械)を自動合成するための理論構築およびアルゴリズム開発に取り組むことを目的としている. シナリオから状態機械を自動合成する多くの研究では平面的な状態機械を用いている.しかし,平面的な状態機械はしばしば複雑になり,設計者にとって理解しやすいモデルになっていない.先行課題(基盤(C) 23500045)では,ペトリネットを用いた階層型状態機械の合成アルゴリズムを開発した.本研究課題では,シナリオを「分割」してから,状態機械を合成するアルゴリズムを開発する.この時,分割によってシナリオの定義を違えることが無いよう「再合成可能」な分割について理論的に考察している. 平成26年度では,半順序が与えられるシナリオをモジュール毎の仕様に分割するときの理論的考察を行った.その結果,モジュール毎の仕様が満足すべき条件を明らかにした. 平成27年度では,平成26年度に得られた結果を用いて,パレート最適な状態機械を合成するためのアルゴリズムを開発した.研究成果を学会(国際会議:1,国内会議:2)にて発表した.また,研究成果について国際会議(IEEE GCCE 2015)で Outstanding Paper Award を受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度では,アルゴリズムの設計・実装まで進んでおり,概ね計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるため,当初計画通り研究を推進していく.
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Causes of Carryover |
計画時は学会の開催場所が未定だったため平均的な額を計上していたが,実際には勤務先の近くで開催されたため,計画していたほど使用しなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度における旅費として使用する.
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Research Products
(4 results)