2016 Fiscal Year Research-status Report
再合成可能な半順序分割による分散システムの振る舞いモデル自動合成
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26330083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 俊幸 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00294041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソフトウェア開発効率化・安定化 / ソフトウェア工学 / アルゴリズム / 情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
高信頼ソフトウェアの開発は,安心・安全な社会を実現する上で必要である.ソフトウェアの信頼性を高める方法の一つとして,プログラムの自動合成がある.良い仕様から仕様を満足するプログラムを自動合成することが出来れば,信頼性の高いソフトウェアが開発される.本研究では,分散システムにおけるモデルベースのソフトウェア開発を対象として,抽象的な要求仕様(シナリオ)から,分散システムを構成するモジュールの振る舞いモデル(状態機械)を自動合成するための理論構築およびアルゴリズム開発に取り組むことを目的としている. シナリオから状態機械を自動合成する多くの研究では平面的な状態機械を用いている.しかし,平面的な状態機械はしばしば複雑になり,設計者にとって理解しやすいモデルとなっていない.先行課題(基盤(C) 23500045)では,ペトリネットを用いた階層型状態機械の合成アルゴリズムを開発した.本研究課題では,シナリオを「分割」してから,状態機械を合成するアルゴリズムを開発する.この時,分割によってシナリオの定義を違えることが無いよう「再合成可能」な分割について理論的に考察している. 平成26年度では,非循環関係が与えるシナリオをモジュール毎の仕様に分割するときの理論的考察を行った.平成27年度では,パレート最適な状態機械を合成するためのアルゴリズムを開発した. 平成28年度では,開発したアルゴリズムをツール実装し,評価実験を行った.また,仕様が複数のシナリオによって与えられる場合について理論的考察を行った.研究成果を学術論文誌(1),学会(国際会議:2,国内会議:2)にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度では,ツール実装,評価まですすんでおり,概ね計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は平成28年度までの予定であったが,成果論文が平成29年度に掲載されるため,事務手続きの関係で平成29年度まで期間延長した.
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Causes of Carryover |
平成28年度にIEICEの学術論文誌に投稿した論文の掲載が決まった.また,投稿した回路とシステムワークショップでの発表も採択された.これらの,掲載料,旅費,学会参加費の支払いが平成29年度にずれ込むため期間を延長した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・IEICE掲載論文の掲載料に使用する. ・研究により得られた成果を公表するための費用として使用する.
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