2014 Fiscal Year Research-status Report
データ相互運用問題解決のためのスキーママッピングを用いたXQueryの書換え手法
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26330097
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
加藤 弘之 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教 (10321580)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 問合せ最適化 / 静的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、効率的な静的ストアの設計と目標とすべき問合せのクラスについての調査を行った.本研究の最大の特徴は静的解析に基づく問合せの最適化である.一般にストアは実行時に値を格納し参照するために用いられるが本研究では、静的解析から実行時に取りうるエレメント名とその文書順序を格納し参照する枠組みとして、「静的ストア」を用意することで、問合せの最適化に利用している.スキーマ情報から得られる等価問合せを用いた場合、静的ストアにはエレメント構築子が含まれるため、冗長なエレメント構築が存在してしまい最適化を阻害してしまう.そこで、エレメント構築子を用いずに変数を使うことで、等価問合せを用いた場合と同じ効果でより効率的な問合せを生成できることがわかった. また、本研究で目標とすべき二つの問合せのクラスTree-Free XQueryとDDO-Free XQueryを定義した.これら二つのクラスは比較不能であるが、Tree-FreeかつDDO-Freeとすることでより最適な問合せへと変換できることがわかった.但し、水平軸を対象としたDDO-Free XQueryへの変換は、特に複数の同じエレメントが同じレベルに存在するとき、難しいことがわかった.更に、DDO-Free XQuery への変換で構造に関する条件を伴うif式が生成されるが、スキーマ情報を用いることでこの構造に関する条件を満たすかどうかを静的に判断できる場合があることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
静的ストアの再定義や目標とする問合せのクラスを明確にできたので、計画通りに順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
水平軸を対象としたDDO-Free XQueryへの変換規則を確立することで、より大きなクラスの問合せを対象とすることが可能となる.そのためには、構造に関する充足問題、特に同時に存在するエレメントの軸関係をどのように静的に解析するかが課題である.また、if式の条件式へのDewey codeの導入、let-式とfor-式のDewey code上の区別なども上記の問題を解決するために必要となることがわかった.
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた、下向き軸に限定しての問合せ最適化について、Christoph Kochによる先行研究との大きな違いを明確にできなかっため、投稿予定の論文が完成せずに、予定していた国際会議への参加を見送ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究はXQueryの充足可能性問題にも関連するので、XPathというXQueryの部分集合についての充足可能性問題の専門家である連携研究者と、充足可能性の観点での議論のために月に2回程度の出張旅費として使用予定.
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