2014 Fiscal Year Research-status Report
帯域スケールアウト可能なネットワークアーキテクチャ
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26330100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 克志 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90251719)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インターネット / ネットワークアーキテクチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ネットワークの帯域需要の増大に応えるため、ネットワークコンポーネント(構成部品)を追加するだけで帯域性能を制約なく線形的に増大させる(スケールアウト)ことが可能な並列化に対応したネットワークアーキテクチャの実現性を探ることにある。 スケールアウト可能なアーキテクチャとすることで、並列度をあげればコンポーネント性能に余裕が生まれ、そこであらたなサービスの創出も期待できる。 あらたなサービスのひとつとして、インターネットのベストエフォートサービスモデルを維持したまま、アプリケーション毎の多様なネット ワーク遅延要求をサポートするネットワーク方式 Latency AWare InterNet (LAWIN) を提案、これに必要なパケットスケジューラの設計、実装および評価をおこなった。 具体的には、従来のFirst Come First Served (FCFS) に代わるパケットスケジュラーとして、2 種類の Earliest Deadline First (EDF) 派生方式を提案した。これらスケジューラはパケット毎に異なる遅延要求を満たしつつ、 FCFS とほぼ等しいパケット廃棄特性を実現している。エミュレータおよび実機(Intel DPDK)による性能評価によって、いずれのスケジューラとも FCFS と同レベルの性能が示された。 また、トランスポート層(TCP)への影響についても評価をおこない、スケジューラの入れ替えがトランスポート性能に与える影響は軽微であることが確認できた。一方で既存 TCP では遅延の大幅な改善も期待できないことも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、単体機能の設計および実装が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
2 年目以降に目標としていた複数台での協調動作に関しては、ネットワーク仮想化(NFV)、Software-Defined-Network の技術開発が製品レベルですすみつつある。すなわち、協調動作に関する研究開発の価値は当初より小さくなったと言わざるをえない。 このため、本研究ではトランスポート性能の評価であきらかとなった既存 TCP では改善が困難な遅延の問題について取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
当初は並列度を高めた環境での評価環境の構築を1年目から想定していたが、1年目はエッジ機能の設計・実装に注力したため物品費の支出抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2 年目以降は遅延を抑えるトランスポート機能の評価実験のための評価環境の構築をおこなう。
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Research Products
(3 results)