2015 Fiscal Year Research-status Report
P2P方式によるモバイル生体センシング基盤に関する研究
Project/Area Number |
26330125
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
幸島 明男 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (20357130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 満 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (10300865)
車谷 浩一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 副研究部門長 (50356945)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体センサ / P2P / センサネットワーク / 心電位波形 / ガウス過程回帰 / 見守り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1)P2P方式によるモバイル生体センシング基盤の実現、2)モバイル生体センシング基盤における生体情報解析アルゴリズムの実現という2つの課題について研究開発を実施している。 1)P2P方式によるモバイル生体センシング基盤の実現に関しては、前年度設計したP2Pセンサデータ通信プロトコルの実装について、通信スレッドの並列化やバッファサイズの調整等の最適化を行うことで、P2P通信機能の実装上の安定性の向上と処理の効率化を達成した。4G回線上の2台のスマートフォン(Android OS)を用いた通信実験において、開発した通信プロトコルを用いることにより、パケットロス無く平均200ミリ秒程度の遅れで通信可能であることを確認した。また、より多様な実行環境への対応を目的として、新たに、計算資源に制約のある腕時計型端末(Android Wear)上において基盤システムの実装を行った。開発した腕時計端末上のP2P通信基盤を用いて、心電波形データ等の生体センシングデータを、見守る側の利用者のスマートフォンへと送信・収集する、生体見守りシステムのプロトタイプを実現した。 2)モバイル生体センシング基盤における生体情報解析アルゴリズムの実現に関しては、ガウス過程回帰(Gaussian Process Regression)を用いた生体時系列データのモデル化手法について、モバイル生体センサで取得した心電位波形データを対象として回帰処理の実装をすすめ、学習実験を行った。その結果、周期性を持つカーネル関数を用いたガウス過程回帰モデルにより、実測とほぼ同等の心電位波形の生成が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究開発は、P2P方式によるセンシング基盤システムと生体情報解析アルゴリズムの両面からの研究開発を特長としているが、両者を統合した成果への展開が期待できる段階に達しつつある。基盤システム・解析アルゴリズムのそれぞれについて研究発表等も行っており、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究開発成果をもとに、P2P方式によるモバイル生体センシング基盤において生体情報解析アルゴリズムの実装を行い、両者を統合した新しい遠隔見守りサービスのプロトタイプの研究開発に注力する。
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Causes of Carryover |
次年度について、当初予定より研究成果の発表に要する費用が多く見込まれたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の論文投稿費用ならびに研究集会における発表費用への使用を予定している。
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Research Products
(4 results)