2015 Fiscal Year Research-status Report
マルチメディアコンテンツの効率的な印象評価とその収集結果の可視化
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26330127
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊藤 貴之 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80401595)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 印象評価 / 順位付け / 写真加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には1536種類の女性の装い写真について3段階印象評価を回収するソフトウェアを開発し、30人の参加者からその印象評価結果を回収した。平成27年度はその回収結果を活用し、印象評価結果をより明快にユーザに伝えるための各要素技術の研究開発に従事した。具体的にはまず、1536枚の写真に対する印象評価結果を順位付けするためにグラフ理論を活用した手法の研究に着手した。しかしここで、印象評価実験において30人の参加者の誰からも採点されていない写真が50枚以上あることに気がついた。そこで続いて、誰からも採点されていない写真の評価を推定するために自己組織化マップを活用した手法の研究に着手した。そして全ての写真について順位付けした後、この結果を効果的に画面表示する可視化ツールを開発した。この可視化ツールを印象評価参加者に使用させた結果として、印象評価結果が概ね妥当であるという検証結果を得ることができた。 また別の研究として、写真加工の嗜好に関する研究について新しい成果を発表した。具体的には、何人かの初期ユーザにサンプル写真のトーンカーブを操作させることで写真を加工させ、その加工の嗜好で初期ユーザをクラスタリングした。続いて各クラスタを構成するユーザに対してトーンカーブと写真特徴量の関係を学習させ、この学習結果にもとづいて別のサンプル写真を自動加工させた。この自動化好結果を初期ユーザに提示して妥当性を評価させた。その結果、初期ユーザ全員のトーンカーブを一斉に学習するよりも、また各ユーザのトーンカーブを個別に学習するよりも、妥当性の高い自動化好結果を得られることがわかった。また初期ユーザのクラスタをあらかじめ生成することで、新規ユーザに対して負荷の小さい写真加工操作によって所属クラスタを特定することができるため、新規ユーザにとって本システム利用の敷居を下げるという効果も期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
女性の装い写真の印象評価については、開発や実験については一段落したと考えている。しかし現時点での学会発表成果は平成26年度までの成果を国際会議で発表したにとどまっており、平成27年度の成果はまだ国際会議発表や論文誌投稿には至ってない。 写真加工の嗜好評価については、基本的な手法を開発し、「桜の写真」という簡単な例題についてサンプル写真群を集めて実験をおこない、国内研究会で発表した。その結果として多くの意見を得たが、特に「桜に限らず多くの題材を対象として実験を拡げるべき」「ユーザクラスタを単位とした処理がよかったことをどのように評価するか」「理想的な実用シナリオを組み立てるべき」といった意見が本質的であると考える。よってこれらの意見に沿った開発と実験の拡張が必要であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
女性の装い写真の印象評価については、関連研究のサーベイなどをやり直した上で、国際会議や論文誌への投稿を進めたい。また、女性の装い写真以外の題材について同様な実験ができないかを検討したい。企業のセミナーに招待されて本研究を紹介した際に、聴衆から「ウェブのデザインの印象評価に用いられないか」という質問を頂いた。ウェブのデザインに限らず幅広い題材が本研究の対象として考えられることから、引き続き検討を進めたい。 写真加工の嗜好評価については、桜以外の題材を含めた多彩な写真群をサンプルに用いて、さらに初期ユーザを増やしての再実験を計画している。現時点で既に桜以外に、食べ物、広域風景、街並み、植物などのサンプル写真群の用意を進めている。これらを用いた再実験を実施した上で、国際会議や論文誌への投稿を進めたい。 さらに、写真加工の嗜好評価によって得た「初期ユーザクラスタを単位とした印象評価結果の学習」というフレームワークを別の研究課題にも適用したいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、印象評価結果の順位付け、画像加工の嗜好評価、という2つの課題についていずれも開発と実験を中心に進めてきた。この工程において新しい備品を購入する必要性が低く、結果的に備品費や消耗品費が計画したとおりに必要とならなかった。一方で、国際会議講演や論文誌投稿などを次年度に残したため、その投稿費や旅費を次年度に残しておきたい状況が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度までの研究成果を積極的に国際会議投稿や論文誌投稿につなげることで、投稿費や旅費を計上したい。また本研究成果に関する実験を拡げるための謝金等を計上したい。
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Research Products
(4 results)