2015 Fiscal Year Research-status Report
脳機能・生体情報統合による4KTVのユーザ体感品質測定とスマートTVへの応用
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26330131
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
堀田 裕弘 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (80209303)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 画質評価 / 生体情報 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
・画像表示デバイスの種類や解像度の違いが,ユーザの満足度に影響を与えるかを検討した.4K2K-TV (3840 × 2160), PC (1366 × 768), iPhone-6plus (1920×1080)の3種類の画素解像度が異なるコンテンツを対象とし,被験者の額にNIRS脳機能計測装置を装着し,画像を鑑賞している際のΔOxy-Hb を測定した.測定実験後には主観評価実験を行い,各画像に対して5段階で画質評価を行った.このNIRSによる脳機能計測実験と主観評価の実験から異なる端末で画像を閲覧するときのΔOxy-Hb と「臨場感」と「迫力感」との関連性を調査した.各評価画像の全16ch のデータを 4K,PC,iPhoneの群に分類し,情報端末を因子として一元配置分散分析を行った結果,ch2とch16が有意水準を満たした.よって,画像を様々な情報端末で閲覧することによって情報端末のサイズや解像度によってΔOxy-Hb に相関変化が生じる事を明らかとした.
・画像コンテンツに対する嗜好の影響を検証するため,NIRSを用いた脳血流の計測実験と好き嫌いのアンケートを採る主観評価実験を行った.評価画像を15秒間呈示して,計20枚の画像を鑑賞した.測定実験後に主観評価実験を行い,各画像に対して好き嫌いを5段階で評価してもらった.被験者は学生15名,画像解像度は 3840 × 2160 pixel である.画像毎で各チャンネルにおいて被験者の15 秒間の脳血流の変化量の加算平均を求め,それぞれ ch 毎にその結果と全ての被験者の主観評価値の平均の相関係数を求めた.脳血流の反応が上昇傾向にあった画像群では,画像に対する反応が大きく,嗜好の違いによって脳血流の変化量と主観評価値の相関性が一番高かったのはch6であることを明らかとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・画素解像度の異なる3種類の画像コンテンツに対して脳機能測定と主観評価測定の両面から,脳血流量と「臨場感」や「迫力感」との関連性が調査できており,前頭葉の2と16チャンネルが関係していることを明確にしている.
・高精細な4K画像コンテンツに対する嗜好を検証するために,脳機能測定と主観評価測定の両面から,脳血流量と「好き嫌い」との関連性が調査できており,前頭葉の6チャンネルが関係していることを明確にしている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を利用して、スマートTV対応のアプリ開発に利活用できる知見の整理を以下の観点から行う。 ・さまざまな4K高精細映像コンテンツを多くの評定者に視聴してもらい、本研究課題で開発したユーザ体感品質推定システムを用いて、ユーザ体感品質を定量的に時系列に抽出する。併せて、視聴者からアンケート方式により視聴コンテンツの好みを調査し、視聴者の平均的な好み度も抽出することで、これらの関連性を検証する。 ・4K高精細映像をその他の3スクリーン(PC、タブレット、スマートフォン)に対応した映像コンテンツにダウンコンバートし、それぞれの情報端末において同様の実験を行うことで、提示素材の画素解像度や情報端末の違いなどが与える影響について調査する。 この一連の研究遂行を通して、4K高精細TVと他の3スクリーンとの連携アプリの画面設計や、メディア視聴者の好みを反映したターゲット広告アプリの選定方法など、次世代のスマートTV対応の様々なアプリ開発に利活用できる知見を整理する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国内学会、海外で開催される国際学会への参加が行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果を早期に情報公開するためにも、学会発表に重点を置く。
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Research Products
(3 results)