2015 Fiscal Year Research-status Report
Webベースの対話型可変スケールマップシステムのための並列分散計算機構
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26330136
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 直久 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80335083)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Webマッピング / 空間データベース / 位置情報システム / ビジュアライゼーション / 道路ネットワーク / 総描 |
Outline of Annual Research Achievements |
地図の縮尺を小さくすると,道路や建物などの地物が密集して小さくなり,読みにくくなる.総描は,大縮尺の地図データから,地図を簡単化,抽象化して,読みやすい小縮尺の地図を作成する技術である.従来,道路や建物の形状の簡単化や集約などの幾何学的な変形により,読みやすい地図を生成する総描手法が多数開発されている.しかし,現状では,どのような地図データからでも要求された縮尺の地図を実時間で作成できる実用的な技術は存在しない.このため,多くのWebマップでは,事前に準備した縮尺の地図画像に位置コンテンツを重ねて表示する.この結果,携帯端末のような小さな画面に表示する場合や,位置コンテンツが大量にある場合などに,視認性が著しく低下することがある. このような問題を解決するため,本研究では,地図データと位置コンテンツを深く結びつけた解析に基づき,視認性と一覧性に優れた対話型可変スケールマップを生成する技術を確立する. 本年度は,以下の項目を中心に研究を推進した.(1)オープンストリートマップのデータを用いて,昨年度設計したストロークとFatStrokeのデータベースを構築し,オンデマンドWebマップシステムを実現した.このシステムを用いた評価実験により,施設検索結果に応じた案内地図を実時間で生成できることを示して国際会議W2GIS2015で発表した.(2)道路の密度に基づいてストローク数を決定することにより視認性の高いFocus+Glue+Contextマップを考案して実験システムを構築した.(3)ストロークデータベースを用いて,効率的な道なり優先経路探索を実現する方式を考案して実験システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は,オープンストリートマップを用いて実際の道路データを認知的な観点からグループ化したストロークとFatStrokeのデータベースを構築し,道路の密度に応じて効率的に道路を取捨選択して描画するシステムのプロトタイプを実現した.また,プロトタイプを用いた評価実験により,Webサービスとして許容できる応答速度で,道路選択可能であることを確認した.これらは,対話型可変スケールマップを実時間で作成するための計算手法とデータベース構成法の基盤となる技術である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に推進した研究を継続・発展させ,以下の研究に取り組む.(1)FatStrokeのデータベースを用いたオンデマンドWebマップシステムを構築して評価する.(2)ストロークデータベースを用いた実用性の高い道なり優先経路探索システムを構築して評価する.(3)ストロークデータベースを用いたFocus+Glue+Context型の対話方可変スケールマップを構築して評価する.
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Causes of Carryover |
昨年度購入した実験用器材を用いて実験環境を構築し,今年度予定した機材の購入を見合わせたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験システムの構築及び評価実験を行うために必要なPC及びネットワーク用消耗品経費に40万円あてる. 研究代表者,および,研究代表者の指導下にある学生等の研究協力者の旅費に90万円,人件費・謝金・その他に20万円をあてる.
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