2017 Fiscal Year Annual Research Report
Volunteer activities of reading picture books and cognitive function in older adults: A 10-year longitudinal study
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26330183
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
佐久間 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70152163)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知加齢 / 縦断研究 / 介入研究 / 高齢者 / ボランティア活動 / 世代間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成16年度(2004年)より,子どもへの絵本の読み聞かせボランティア活動を主とする高齢者の社会参加プログラム“REPRINTS” を開始した.本研究では,この“REPRINTS”に参加する高齢者の認知機能に与える継続効果を調べることを目的に,10年目の追跡調査を行った.対象は,全国3地区で参加登録したボランティア高齢者156名(介入群)と健診のみ受診する高齢者187名(対照群)の合計343名(60-89歳,平均年齢68.2歳,女性率81.6%)だった.初回調査の後,3年間は毎年,その後は5年目,7年目,10年目に追跡調査を行った.今回の10年目の追跡調査における参加率は,介入群が28.2%(44名),対照群が46.5%(87名)だった.認知機能の評価として,健診会場で行う認知機能検査(記憶,言語,知識,判断,処理速度に関する8種)と記憶と認知機能に関する質問紙調査を行った.認知機能検査の結果,10年目の成績は,記憶(物語の直後再生)と言語(「か」で始まる語想起)で介入群の方が高く,80歳以上の高齢群では,知識や判断の得点が維持された.また質問紙調査の結果,介入群は対照群より,日常の知的活動や記憶低下の対処行動の頻度が高く,10年目でも高く維持された. 以上より,高齢期におけるボランティア活動の長期継続は容易ではなく,本研究の10年間の参加率は低かったものの,認知加齢が現れやすくなる80歳以降において,記憶や知識,言語の検査課題でボランティア活動の継続効果が見られた.また,日常の知的活動や記憶維持のための工夫行動が増加・維持された.高齢者の社会参加プログラム“REPRINTS”への継続参加が高齢者の認知機能の維持・向上に寄与する可能性が示唆された.
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Research Products
(8 results)