2014 Fiscal Year Research-status Report
楕円当てはめに基づく安定かつ高精度な円形物体の検出
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26330192
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
菅谷 保之 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335580)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンピュータビジョン / 楕円当てはめ / アウトライア検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の計画では、まず、入力点列に楕円弧以外の点(アウトライアと呼ぶ)が含まれている場合でも正しい楕円パラメータを計算可能にするための方法として、L1ノルムの最小化による方法を検討予定としていた。しかし、研究の過程でL1ノルムを用いた従来の考え方よりも斬新な方法を考案し、その方法について基本的な理論をまとめ、実験によりその有効性を示した。提案手法では、まず入力点列すべてを用いて楕円当てはめを行い、入力点列と当てはめた楕円との誤差を計算する。その誤差のグラフに着目して入力点列を複数の部分弧に分割して、部分弧ごとに誤差グラフのピーク付近の曲率を調べることでインライアとアウトライアを判定しては、インライアに対して楕円を当てはめるこを繰り返す。これにより、高速でかつアウトライアの検出精度の高い楕円当てはめを実現することに成功した。 平成26年度はこの研究成果を国内の研究会で発表し、平成27年度に開催予定の国際会議に投稿した(ポスター発表が決定し平成27年5月に発表予定)。また、本提案手法についてさらなる改良を検討している。 また、この研究成果の応用として、プロジェクタとカメラを搭載した自律移動ロボットによる楕円検出によるロボットの自動走行に関する研究を進めた。これはプロジェクタから床面に投影した楕円をカメラで検出することでロボットの走行先に障害物となる壁が存在するかを判定するものである。プロジェクタから投影した楕円はそれが、床面にのみ投影された場合は1つの楕円として検出されるが、投影された楕円が床面と壁面に渡って投影された場合、床面と壁面でそれぞれ異なる2つの楕円が検出されることに基づく。さらに、この2つの楕円の交点を結んだ直線が床面と壁面の境界になることから解析的にその境界を求められるという方法である。平成27年度開催予定の国際会議での口頭発表が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、アウトライアを含んだ点列に対する楕円当てはめの研究については、基本となる理論をまとめ、その実験結果とともに国内の研究会で発表を行った。また、平成27年度の国際会議での発表も決定している。さらに、この提案手法を洗練させる方法の検討を行っており、平成27年度中にその成果を国内の研究会で発表する予定である。 また、当初計画には含まれていなかったこの手法の応用についても研究を進めることができており、平成27年度開催予定の国際会議での口頭発表が決まっている。 以上のことから当初の計画以上に研究が進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、平成26年度に発表した提案手法をさらに洗練させた手法について、その理論をまとめ、実験を行い、国内会議でその成果を発表する。これについては基本的な考え方はすでにまとまっており、実験による検証を行いながら、最終的な手法の確立を目指す。 また、応用例として検討した自律移動ロボットのための楕円当てはめによる壁面検出の県境については、平成27年度に自律移動ロボットを実際に購入し、プロジェクタとカメラを搭載したシステムを構築するとともに、平成26年度にまとめた研究成果を用いたロボットの自律移動走行実験を行う。この部分については当初の計画に含まれていないが、担当する学生を増やして当初計画と並行して研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に購入を計画していた実験システム構築用のタブレットについて、平成27年度に計画していたものよりも性能のよい製品の発売が計画されており、その製品購入のために平成26年での購入を見送った分が次年度へ繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度への繰越は研究計画の遅れが原因ではなく、計画していた製品よりも高精度なものを購入するためであるため、その製品の発売に合わせてその予算を執行する予定である。 それ以外の予算については研究の進展に合わせて計画どおりに執行する。
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