2015 Fiscal Year Research-status Report
空撮画像を外部指標として用いた地上撮影動画像のカメラ位置・姿勢推定
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26330193
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 智和 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (50362835)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 空撮画像 / Structure from motion / RANSAC / 再投影誤差 / visual SLAM |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度までに開発した、サンプリングに基づく空撮写真と地上撮影画像の位置合わせ手法について実験結果をとりまとめ、コンピュータビジョン分野における主要な国際論文誌であるCVIUへの投稿を行い、これが採択・出版された。また、サンプリングに基づく手法の問題点であった、初期値生成時における誤差蓄積の問題を緩和するために、今年度は新たに、逐次型の地上撮影画像の処理において、空撮画像と地上撮影画像を随時対応づけ、visualSLAM型の処理においても誤差の低減を実現する手法を開発した。本手法では、visualSLAMアプローチにおいて逐次推定される三次元点群に対して、地平面と考えられる箇所に局所平面を当てはめ、地上撮影画像を随時上空視点画像に変換する。次に、変換後の画像と空撮画像からエッジ抽出を行い、エッジ間距離が最小となるようカメラ位置・姿勢の補正を行う。本研究では、一般的なStructure from motion法において利用される再投影誤差の枠組みを応用し、エッジ間距離を最初化するカメラ位置・姿勢の最適化を行う。また、この最適化をvisualSLAMの枠組みに組み込み、逐次処理においても誤差の蓄積を抑制できることを実験により示した。この成果については、国内研究会において口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したサンプリングに基づくロバストなStructure from motionの実現およびこれによる空撮画像と地上撮影画像の位置合わせについては、一定の成果が得られ、国際論文誌に掲載されたことで、その新規性・有用性についても国際的に認められたと考えられる。これにより、研究計画の骨子の部分についてはおおむね目標を達成したものと考える。今年度は、残された問題に取り組み、初期値生成時における空撮画像の利用手法を開発することに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、当初の目的はおおむね達成されているが、より実用的な手法とするためには、カメラ運動の初期値生成時において、よりロバストな推定を実現する手法の開発が求められる。今後は、データベースを用いてカメラ運動を学習することで、特徴点抽出等が難しい状況下においても、おおよそのカメラ運動を予測し、これを初期値とした最適化による高精度かつロバストなカメラ位置・姿勢推定が実現可能であることを示す計画である。
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Causes of Carryover |
実験実施時において、データ分析補助費が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内研究会参加による情報収集・成果発表に充てる。
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