2015 Fiscal Year Research-status Report
介助支援のための行動の能動的観察と認識に関する研究
Project/Area Number |
26330195
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
陳 謙 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70263233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 海元 和歌山大学, 学内共同利用施設等, 理事 (70283695)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 円パターン / 能動的カメラ / 共同観察 / 追跡 / カメラ制御 / 人物の検出 / 赤外線画像 / カメラの較正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である人の行動の観測と認識を実現するために,まず2個の円形パターンを用いた地面などの平面の向き及び円を基準とした参照座標系の樹立に関する研究を行い,安定した結果が得られるアルゴリズムを発見することができた。次に,2台の能動的カメラを用いて共同協調観察に関する研究を行い,人が立っていると仮定して、片方のカメラから発見した人物の位置情報を推定して、もう一方のカメラに知らせることで,同じ部屋にいる歩行者を自動的に発見して,2台のカメラを用いて発見した人を同時に観察を行い,単独のカメラより広い範囲において同じ人に追尾して観測し続けることを実現した。 また,人の活動の環境の認識を行うために,階段等の段差のある平面の検出とその向きの推定のために,反復投票により安定的に結果が得られるアルゴリズムを開発できた。また、色弁別度を特徴量とした個人識別手法、深夜の介護や見守りのために、赤外線カメラを用いて暗い環境での顔の検出を安定に行うために,既存の顔検出アルゴリズムを赤外線画像に適用した場合の検出性能の評価、そして,赤外線画像のサンプルを大量に撮影し、顔検出アルゴリズムの再学習を行った。ビデオカメラで撮影したブレ画像のブレ情報の抽出とブレの除去を行うためのケプストラムに基づく解析法を開発して,ブレの元となる撮影時にカメラの運動軌跡を正しく推定することができ,それに基づいてブレを除去し、クリアな画像を復元できた。 カメラを用いて観測対象である人の3次元情報を得るのに必要なカメラの内部パラメータを安定的に推定するために、カメラの較正用の物体を撮影するときにカメラの姿勢とカメラの内部パラメータの推定の安定性との関係を解析的に解明し、精度が高く、撮影する回数が少ないカメラの較正法を提案することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人物を鮮明に撮影することを実現するために、コンピュータからカメラの様々なパラメータ(明るさ、シャッター速度、ズーム、フォーカスなど)を自動的に最適な状態を維持することは以外に難しかったこと、カメラの内部パラメータは既に公表された既存手法を用いて安定的に推定できなかったために、それらの問題を解決するのに予想以上に時間をかかった。また、能動的カメラを高速で安定に制御し、関心の人物をブレずに追尾観察を行うことを実現する際、カメラが制御命令を処理するのに時間をかかる問題を対処するために様々な解決法を提案し、それぞれの効果を検証するためにたくさんの実験をしたことは研究の進展が少し遅れている理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今まで研究目的を実現するための様々な基礎研究と開発を行ったために、研究進展の障害は一個ずつ除去することができた。今後は、当初計画した内容の中で、特に重要な動作抽出のために時系列データの特徴量の計算法について重点研究を行い、人の動作解析が見込める状態に達したい。それと同時に,複数台の能動的カメラを協調して共同観察システムを更に安定させ、同じ人物の長時間の観察データが取得できるように実現し、取れたデータを使って動作解析や個人の行動パターンの抽出に関する研究を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
複数台カメラを用いた共同観察の実験の都合上、今年度中までに計4台購入予定の能動的カメラの中の2台、次年度に購入した方が研究進展に影響しない上、(値下げ、新機種の発売など)研究経費をより有効に利用できると判断したからである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度未購入の2台の能動的カメラと関連設備(制御用パソコンと映像キャプチャーボードなど)を次年度に購入する予定である。
|