2014 Fiscal Year Research-status Report
音環境理解のための音カテゴリクラスタリングに関する研究
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26330203
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
大川 茂樹 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40306395)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 音環境理解 / 音クラスタリング / 機械学習 / 音環境デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ロボットの聴覚機構などへの実装を目指して,我々の身の回りに日常的に存在する様々な音の物理的および聴覚心理的カテゴリを合理的に分類する方法と,様々な音響自称のカテゴリ識別技術を検討することを目標としている。実施初年度の平成26年度は,まず,音カテゴリのクラスタリングと音カテゴリ識別実験に用いるデータとして,すでに保有している種々のデータ(音声・楽音・環境音・雑音など)に加えて,いくつかの生活環境音および使途を研究に限定した放送音源を収録した。次に,音の分類方法を定義するための準備として,各種音データを複数の被験者に聴取させ,合理的な音カテゴリの表現方法について検討した。その結果をもとに,データの一部に目視で情報内容に関するラベル付けを行った。このデータ群に対して,零交差数およびスペクトロエントロピーと呼ばれる特徴量を用いて,比較的簡単な音クラスタリング実験を行い,非音声と音声,発音の異なる音源が分離できることを確認した。さらに,音声や楽音の分析・認識で用いられる音響特徴量ならびに機械学習と確率モデルに基づく識別手法について,基礎的な検討および各種音源に対する学習・識別実験を行った。これらの研究成果から派生して,当初研究初年度の実施計画には含めていなかった音環境理解や音環境デザインに関するトピックスに対しても,特に小規模空間で発生する種々の音を合理的に制御する手法についての検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初申請時に記述した初年度の研究実施計画を,概ね予定通り実行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる平成27年度は,より頑健な分類・識別アルゴリズムの検討を行うと共に,音環境理解・音環境デザインの観点から,小規模空間(教室,病院の待合室などを想定)における音カテゴリクラスタリングを,快適コミュニケーションのための音空間作りに応用する手法を考案する予定である。
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Causes of Carryover |
当初計上した国内・国外旅費および実験補助に係る謝金の支出がなかったことに伴い,次年度への繰越額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に設備備品費としての物品費(当初計画における「音カテゴリ分類実験用コンピュータ」)の周辺機器を充実させるために使用する。
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