2015 Fiscal Year Research-status Report
話す食べるという日常行動の共同機会を増やすシステムの開発と評価
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26330218
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井上 智雄 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40307666)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 会話支援システム / 共食会話 / QOL / インタラクティブシステム / 日常生活 / 非母語会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
あらゆる領域で情報コミュニケーション技術(ICT)利活用が進められている中で、重要性が増大している人々の健康や精神的豊かさへの貢献を目的として、食卓周辺を対象としたICT活用を進めている。本研究は、とりわけ会話をしたり食事をとったりといった日常の行動時に独りでいる状況を対象として、それらの共同機会を創出したり増加したりする仕組みについて考案し、その実現性の検証も含めてシステムの開発研究を主体として進めている。 本年度は、初年度の内容を発展させた。遠隔からの会話参加者が複数いる場合にはそれらの音声の空間定位を分散する方が一か所から出力するより聞き取りやすいことは知られているが、音声が重なる場合にどの程度聞き取れるか、母語と非母語ではどのように異なるかという点から被験者実験により詳細に検討した。その結果、少なくとも1名の話は聴き取れると期待できる同時話者人数の限界が母語において2名から3名に向上すること、非母語においても同様の効果が見られることが確認された。遠隔会話において音像定位分散の活用が有効であることを示したもので、学術論文にまとめた。 また、遠隔からかつ時差のある共食会話の場を映像音声通信によって創出する試みをし、映像の再生速度の調整により食事を疑似的に同期させることが活発な会話の場の創出に効果的であることを被験者実験により見出した。従来実現していなかった時差のある会話を支援する手法の有効性を示しており、学術論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である、人々の健康や精神的豊かさへの貢献を目的とした食卓周辺を対象としたICT活用を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで研究は順調に進展しているため、研究計画に従い、今後も研究を推進してゆく。
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Research Products
(11 results)