2015 Fiscal Year Research-status Report
計算機のマルチタッチ入力面を利用したタッチインタフェース
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26330219
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
椎尾 一郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (90297101)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチタッチ / 入出力インタフェース / メタファー |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の個人用計算機(PC及びスマートフォンなど)において、急速に普及しつつあるマルチタッチパネルを用いた新規なインタフェースを提案し、その実相と評価を行っている。 爪に装着したネイルアートアクセサリ形状をしたマグネットを利用して、アプリケーションのモード切り替えなどに利用するMagNailは、試作と評価を進めて、これも国際会議でのデモ発表を行った。本方式は、スマートフォンに標準搭載された磁気センサのみを用いてマグネットを検出し、ユーザの手の形を推定するものである。 PCのトラックパッドを用いて、これにペンタブレットのような絶対座標モードを提供し、手書き文字入力などを容易にする目的で、カーボンコピーメタファーを開発していたが、これについても、国内シンポジウムの査読付き発表を行った。本方式は、小型のカーボンコピー紙を置いて操作するようなメタファーに基づき、トラックパッドの絶対座標と相対座標モードを切り替えるものである。 さらに、タブレットPCのようなマルチタッチ面に円筒形のミラーを置いて、だまし絵(アナモルフォーシス)の技法により立体的ん画像とのインタラクションを実現するAnamorPhiconの手法により、遠隔地とのテレビ会議を実現する手法の開発を開始した。遠隔地のテレビ会議参加者が、円筒形ミラーに移されることで、これを手に持って移動させ、回転させる操作が可能になる。また、この仕組みを利用して、Google street viewのような地図上での全周囲画像閲覧システムの開発も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ある程度の成果をまとめて学会発表を行うことができた。 爪に装着したネイルアートアクセサリ形状をしたマグネットを利用したインタフェースMagNailは、ユビキタスコンピューティングのトップカンファレンスであるUbicomp 2016で査読付き(採択率54%)デモ発表を行った。 PCのトラックパッドにより手書き文字入力などを容易にするカーボンコピーメタファーの研究は、インタフェース分野における国内での評価の高いシンポジウム、インタラクション2016で査読付き(採択率47%)登壇発表を行った。またこの論文は、査読において高い評価を得たのでベストペーパー賞にノミネートされた。 また、マルチタッチディスプレイ面に円筒形ミラーを置くAnamorPhiconの手法を利用したインタラクションの試作を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチタッチ入力のための新しいインタラクション手法について、試作と評価を進める。 AnamorPhiconの手法については、実装を進めて、学会、研究会での発表を目指す。 また、タッチパネル面でのクラッチ操作を検出して効率的にカーソル移動を行う手法について、現在評価実験を進めており、これも学会発表を目指したい。
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Causes of Carryover |
発表を行っている国際会議が日本国内開催であったため、海外出張費を節約できたことと、研究成果発表のための国内学会出張費を、別の予算でまかなうことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタフェース手法のためのハードウェア開発費用、および、国際会議での発表のための旅費として使用したい。
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