2014 Fiscal Year Research-status Report
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26330223
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
高橋 健一 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30399670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 尚生 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10263485)
伊藤 昌毅 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50530086)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / インタラクション / グループウェア / 入力促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
入力を行わない怠惰なユーザのみに不愉快を与えることでユーザの入力を促す仕組みを研究する。しかし、不愉快を与えるとそのユーザの利便性が低下するため、すべてのユーザに不愉快を与えることは好ましくない。そこで、ユーザの状況に応じて徐々に不愉快を課す仕組みを実現する。このことを実現するためには、1) ユーザの状況推測、2) 状況に応じた不愉快な動作の実施、3)不愉快な動作の段階的な変更について検討する必要がある。また、不愉快な通知システムを様々なアプリケーションへ応用することを目指し、4) エージェントベースの開発基盤を研究開発する。平成26年度は提案システムを実現するための予備実験を実施した。 具体的には予備実験を行うにあたり、ユーザの入力を促すためにはユーザに動機づけを持たせることが必要で、動機づけの観点からどのような仕組が効果的であるか検討した。検討結果をもとに、画像を表示する機能を利用し、画像の大きさや色,画像が移動するのか停止しているのかなど、様々なパターンでどういった効果が得られるのかを実験した。その結果、不愉快な通知への気付きという面ではどの表示パターンでも一定の効果は得られたが、画像が小さくなるほど邪魔にならずそれほど不愉快に感じないといった意見が得られ、入力を先送りにするユーザが存在した。しかし、赤色の画像を用いれば画像が小さくても目に付きやすく、不愉快に感じるといった効果が得られた。また、画像が小さい場合、移動していたほうが不愉快が大きいのに対し画像が大きくなると停止していたほうが不愉快が大きいという結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度計画として提案システムを実現するための予備実験をあげていた。 これらの調査の結果を基に通知を受けたユーザの行動を分析した。その結果、普通の通知であればユーザの利害によって入力を行う判断が行われるのに対し、不愉快な通知であればユーザに不愉快から逃れたいかという判断によって入力を行わせることが可能であった。しかし、どちらの場合でも通知を受けていることに気付かなければ入力は行われない。そこで、ユーザが通知に気付きやすくなるような,ディスプレイを画像で隠す機能,入力完了状況通知機能を提案し,これを実装した.また,実験結果より、どのような通知が効果的か調査した。上記のように予備実験が完了しており、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に会議日程の調整を対象としたシステムの具体化を行うと共にエージェントベースの開発基盤実現の準備を整える。平成28年度はシステムの評価を行うと共にエージェントベース開発基盤を実現する。 平成27年度は、平成26年度の実験結果をもとに不愉快な動作を組み込んだシステムを実現する。応用先としては、各ユーザのPCに本システムを強制的にインストール可能な環境、例えば研究室や会社等といった閉じた範囲内での利用を想定している。 平成28年度、実証実験によるシステムの評価を行い、実験結果をフィードバックすることでシステムの完成度を高める。実証実験は、まず研究代表者が所属する学生30名程を対象に行い、可能であれば学科の全教員と研究室所属学生を対象とした実験を行う。また、会議日程調整システム以外への適用を検討し、そのためのエージェントベース開発基盤を実現する。
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Causes of Carryover |
研究発表が次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金額は主に研究発表経費として使用する。
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