2015 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォンを用いた脳波・視線のオンライン解析による知的生産性の客観評価
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26330230
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
満倉 靖恵 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (60314845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝本 裕則 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (10413874)
伊香賀 俊治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30302631)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知的生産性取得 / 脳波 / オンライン評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,スマートフォンのみで脳波と視線を簡単に同時計測し,建物内の環境および知的生産性をオンライン評価するシステムを初めて構築する. 既に昨年度までに1.スマートフォンのみで脳波と視線を同時に計測するシステムを構築し,2. 脳波と視線情報を用いて興味・関心を取得するシステムを構築した.27年度は知的生産性を取得するために重要な集中,ストレス度をオンライン評価するスマートシステムの構築を目指した. 27年度の大きな目的は,集中ストレスが脳波でどのような状態を示しているか,定義を行うことである.これらの定義には,本研究以前からデータベースとして残しておいた集中実験,興味解析実験,ストレス実験における脳波データを使用する.また,前年度までに完成した脳波計測機は脳波を得ることが簡易型である事,装着に15秒,医学的に検証済みの脳波計測器である事も大きなメリットであり,被験者が簡単に使用することができるため,本研究を進めるにあたり必要となると予想される100名以上のデータも容易に取得可能である.知的生産性取得実験の内容は,26年度が屋内の環境を対象にしていたのに対して,27年度は労務作業室内に限定し,環境によって変化する作業の効率を集中度とストレス度を以って評価した.作業執務者は,脳波計測装置を付け,締め付け感や嫌悪感が無いことを確認した後,通常の業務に従事してもらった.また,手元作業の視線を無理なく追跡できるように,26年度に開発予定の分解能が高い視線追跡を手元の作業検出用に改良し,実際の執務環境や学習環境において,脳波から得られる集中度,ストレス度と視線の動きの相関によって得られる情報から集中時,ストレス時の視線の動きの特徴を検出した. 28年度は3.脳波と視線情報を用いて執務環境における知的生産性の新しい定量評価を確立する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画をきちんと実行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は実際の施設を用いた作業効率に基づく知的生産性評価のための実験に展開し,知的生産性を高める因子(望ましい環境)の特定を行う事を目的とする.この時,実際の施設を使う事が出来る.この施設は,室温や照明,自然光・風の入り具合,湿度,周囲の音の調整を自由に変更出来る事から,これらと脳波および視線情報から得られる興味・関心,集中,ストレスとの相関性を解析し,作業効率から得られる知的生産性を左右する室内因子を求める事を目的とする.これにより,集中度を上げる室温や湿度,照明の傾向,さらには時間による変化やストレス度との関係も探る予定である.
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Causes of Carryover |
前年度に集中度とストレス度を屋内で測定するために,被験者を集めてアルバイトとして支出する予定であったが,当初は1人の被験者1回の測定を人数を多く取ることを予定していた.しかし実際は同じ被験者で5回程度の検証を行う方針に変更した.このため,当初よりも少ない人数で1人の実験回数を増して結果を見た.この結果,実験被験者を減らした分,かかるアルバイト代が少なくなった.また,当初は同時計測を3名程度と考えていたが,実際は1名ずつ行う方が確実に実験ができると考えた.このため,予定していた並列脳波取得用の計算機を購入しなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既に少ない人数で回数を多く行った際のロバスト性の検証は行った.そこで被験者の数を増やし,脳波と視線情報を用いて執務環境における知的生産性の新しい定量評価を検証し,最終的に確立するための実査費用とさせていただく予定である.
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