2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Technique of Display with Harmonious Image, Scent and Air Current and Possible Applications
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26330231
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伴野 明 東海大学, 情報通信学部, 教授 (90328104)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 香り / 映像 / 気流 / 表示装置 / クロスモーダル / 心理評価 / 感性マルチメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、映像、香り、気流からなるマルチモーダルコンテンツを提示できる気流通過型映像表示装置を試作すると共に、当該試作品を用いて、臨場感の高い映像コンテンツ制作法を提案し、心理的効果を明らかにするものである。 (1)気流方向制御が可能なKMMDの構成法:前年度試作品を改良し、映像・香り・気流からなるマルチモーダルコンテンツを提示するための表示装置を完成させた。スクリーン・プロジェクタ方式である。スクリーンは、細長いステンレス棒を所定の隙間を設けて並べ構成した。香りの提示には、スターボンと呼ばれる香料を吸蔵・放出できる固体粉末を利用した。ブレードの方向に香りが放出されることを確認した。2m以上離れた被験者に選択的に香りを提示できた。 (2)風触覚付きコンテンツによる吸気誘導と香り知覚率の向上:香り知覚率を向上させるには、利用者の吸気タイミングに合わせて香りを放出できれば望ましい。そこで、KMMDの多様な感覚提示機能を利用して、自然に能動的吸気動作が生じる状況を作り、香りを効率よく提示する方法を提案し、数種のコンテンツを用いた実験により香り知覚率が向上することを明らかにした。 (3)香りと気流方向制御が可能なKMMDの応用:視覚と風触覚を組み合わせてバーチャル扇風機を提案した。CG扇風機の首振り運動に伴って風が放出される。映像提示のみの場合と風触覚が共に提示される場合の心理効果と課題を検討した。視覚と風触覚の位相ずれが大きいと違和感につながる可能性を明らかにし、位相ずれの少ない構成を実現した。 (4)マルチモーダルコンテンツの心理効果の検討:2種類の香り付きコンテンツを制作し、香り提示による集中力向上、記憶力向上効果が生じることを明らかにした。また、香り付き摂食コンテンツを制作し、脳科学的な評価も取り入れ香り提示が美味しさや唾液感に与える影響を明らかにした。
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