2014 Fiscal Year Research-status Report
視聴覚刺激による注意行動誘発と心的負荷に関する基礎検討
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26330241
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
内海 章 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (80395152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 公久 工学院大学, 情報工学部, 准教授 (60418548)
須佐見 憲史 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, その他 (90222059)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 注意誘導 / 心的負荷 / 視聴覚刺激 / 周辺視 |
Outline of Annual Research Achievements |
周囲の情報に対するヒトの知覚を自然な方法で強化、あるいは低減する感覚・知覚制御は、ヒトの知覚を特定の情報に向けて誘導して望ましい行動の発現を強化したり、他者とのインタラクションを誘発するなど、対話支援や自動車の運転支援を含むロボティクス・マンマシンインタフェースの分野において重要な要素技術となる。本研究課題では、ヒトのタスクの妨害を起こしにくい周辺視刺激を中心に、視覚刺激と音響刺激の組み合わせによるヒトの注意制御について検討を進める。初年度となる本年度は、周辺視を利用した注意制御効果に関する検討を開始するとともに、次年度以降の評価実験に向けた準備として、注意誘導によって生じる可能性のある心的負荷の増加を評価するために生理指標を利用した負荷評価について検討を進めた。注意制御効果に関する検討では、誘導効果を検討するためのプラットホームとして運転シミュレータを導入し、運転タスク遂行中にオプティカルフローなどの視覚的な誘導刺激および音響刺激を同時に提示できる環境を構築した。また、誘導刺激の提示位置について検討するため、視覚刺激の提示による注視方向の変化と視野の関係に関する基礎データを収集した。さらに音刺激による注意誘導について、音刺激および音声による誘導の効果のタイミングによる違いの確認実験、運転シミュレータを用いた視聴覚相互作用実験に向けた環境構築と刺激提示システムの検討を実施した。生理指標を利用した負荷評価については、構築した運転シミュレータを利用し、注意誘導によって生じる可能性のある心的負荷の評価に向けて、心拍・呼吸数を利用した負荷評価について検討を進め、実験により安静時と運転時で心拍・呼吸数に有意な差異が生じることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
刺激提示プラットホームの構築・心的負荷の評価方法の確認などを順調に進め、次年度以降の検討に向けた準備を終えた。音響刺激との組み合わせにおけるパラメータ設定など一部さらに検討が必要な項目も残るが、次年度試作を予定している刺激提示装置の一部として運転シミュレータによる刺激提示環境を前倒しで構築するなど、全体としては順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は初年度に得られた知見を元に視聴覚刺激による注意制御と心的負荷の関係を評価し、注意制御が制御を受けるヒトにとって新たな負荷とならない、または過大な負荷につながらない条件について検討する。また、今年度構築した運転シミュレータによる刺激提示環境をベースとして、最終年度の注意誘導実験に向けて,眼球運動計測および広視野にわたる刺激提示を可能とする計測装置を試作するとともに注意誘導実験に向けた視聴覚刺激の設計を進めていく。
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Causes of Carryover |
予定通り実験装置・ソフトウェアの購入を進めたが、実験用消耗品の購入費用に少額の差異が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度購入する実験用消耗品の費用の一部として使用する。
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Research Products
(3 results)