2016 Fiscal Year Research-status Report
プライバシーを考慮するマルチセンシングデータ解析システムの開発
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26330255
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高野 茂 九州大学, 共進化社会システム創成拠点, 准教授 (70336064)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マルチセンシングデータ解析 / サイバーフィジカルシステム / プライバシー制御 / ウェーブレット変換 / スマートセンサ情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、多種多様なセンサーデータを収集・解析した結果を容易に可視化することのできるマルチセンシングデータ解析システムを構築した。開発したマルチセンシングデータ解析システムは、リアルタイムにセンサーデータを収集・可視化することができ、成果物として公開する予定である。このマルチセンシングデータ収集機構の基礎となる欠損データの補間機構に関する研究を行った。具体的には、同時期に収集した複数のセンサーデータをテンソル形式で表現し、テンソル因子分解に基づく欠損データ補間アルゴリズムを開発した。 また、深層学習のアプローチによる人流データの予測および異常値の予測に関する研究も実施した。提案手法では、最大5000人が活動するキャンパス内の人流データの計測実験により得られた膨大な人流ビッグデータを活用し、将来の時間帯における混雑度の予測を可能とした。また、人流データの特徴が外れ値となる傾向をつかみ、次の時間帯の異常値を予測する手法も考案した。これらは、人流データだけでなく、さまざまな時系列信号に応用することができる。 さらに、複数の方向から同時に撮影された物体の2次元画像の集合から、3次元形状モデルを生成するシステムを開発し、画像特徴から3次元形状モデルを検索するアプリケーションが完成した。これにより、マルチセンシングデータ解析システムにおいて、3次元形状の識別などの応用システムを開発することが可能となる。これらの研究成果は国内外の学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、マルチセンシングデータ解析システムを構築し、多種多様なセンサーデータを容易に可視化することのできる機構を開発した。これにより、画像特徴に基づく識別や認識機構を、プライバシーを考慮することのできる別のセンサーで代行するための実験を容易にできるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、深層学習のアプローチによるセンサーデータの特徴抽出に関する研究を推進していく。深層学習には膨大なデータが必要となるため、研究計画を1年間延長し、適切なセンサーデータの特徴を抽出することのできるウェーブレット変換の設計手法の実証を行う。
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Causes of Carryover |
開発したマルチセンシングデータ解析システムを用いて、より長期間のデータを収集した実験を行い、その結果に基づく論文投稿を来年度実施したいため、研究成果発表に関する予算執行の延長を希望します。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表に関する予算に使用します。
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