2015 Fiscal Year Research-status Report
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26330265
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
猪口 明博 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (70452456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 孝 関西学院大学, 理工学部, 理工学部研究員 (00103135)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 列挙アルゴリズム / データマイニング / 有機化合物 / 医薬品 |
Outline of Annual Research Achievements |
実際の医薬品開発においては,リード化合物が有効性,選択性,薬物動態学上の指標などを改良するための出発点として用いられ,そのリード化合物の一部の構造を改良することで医薬品が開発される.そこで,リード化合物に構造が類似する化合物を列挙するアルゴリズムを2年目から開発した.現時点での技術では,10の60乗個の化合物を列挙することは不可能であるが,リード化合物に類似する化合物を網羅的に探索することで,標的蛋白質に結合可能な医薬品の開発を加速できる.既存のグラフの列挙アルゴリズムでは,サイズ(グラフの場合,辺数)の小さなグラフから探索を始め,辺を1つずつ増やしながら存在可能な全てのグラフを探索していく.一方,類似する化合物を探索するには,辺を増やすだけでなく,減らしたり,頂点のラベルを付け替えたりする必要があり,既存研究とは異なるアルゴリズムが必要である.解こうとする問題を簡単化するために,本研究では,離散構造の中で最も単純な集合の問題から始め,指定された集合に類似する集合を列挙するアルゴリズムを開発する.そこから得られた知見を,初年度開発した平面グラフ列挙アルゴリズムに統合することで,リード化合物に類似する化合物の列挙問題を解く計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,大量のグラフを含むデータベースから,クエリとなるグラフに部分グラフとして含まれるグラフを検索する問題であるSupergraph Component Search問題に取り組み,そのアルゴリズムを構築した.4万化合物を含むデータベースに対して評価実験を行い,この分野で最速の手法LW-Indexよりも数十倍から100倍近い高速に検索できることを示した.LW-Indexをはじめ既存の手法では,データベースに頻繁に出現する頻出部分グラフを全て列挙した後に,その一部をデータベースの索引に利用するのに対して,提案した手法は頻出部分グラフを必要としないために,頻出部分グラフを列挙するのに必要な膨大な計算時間を削減することができる.また,LW-Indexは,索引を構築するためにデータベース以外に想定されるクエリの集合を必要とするために,クエリの分布が大きく変化したときに索引を再構築する必要があるのに対して,提案手法は想定クエリを必要としないために,クエリの分布が変化しても索引の再構築の必要がないという利点を持つ. Supergraph Component Search技術は,本研究を遂行する上で必要な要素技術であることが1年目に判明し,その技術が2年目に構築できたことで,3年目の研究を遂行できる見通しを得た.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は,グラフ理論に基づいて化合物として可能な構造を列挙するアルゴリズムを構築することである.これを解くために,提案手法では化合物をグラフで表現する.ここで,化合物の原子,結合,原子の種類,結合の種類が,それぞれグラフの頂点,辺,頂点ラベル,辺ラベルに相当する.また,列挙アルゴリズムは頂点数がk個以下の全てのグラフ構造を列挙する.このアルゴリズムを1年目に構築した. また,提案手法はグラフ理論上可能な全てのグラフを列挙するが,それら全てが化合物として自然界において存在したり,安定していることはない.このため,自然界において存在し得ない化合物を削除するフィルタが必要となる.Supergraph Component Search技術を使うことで複数のフィルタの計算を共有化できることが判明したため,Supergraph Component Searchのためのアルゴリズムを2年目に構築した. 3年目である平成28年度は,1年目に構築した列挙アルゴリズムと2年目に構築したSupergraph Component Searchを結合し,全体でどの程度の性能を引き出せるかの検証実験を行い,本研究のテーマである有機化合物の新規骨格創製アルゴリズムの実現性について調べる.
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Causes of Carryover |
年度当初は,研究成果発表のため2件分の旅費及び論文投稿費用を計上する予定にしていた. しかし,そのうち1件が評価実験中であり,その分に関しては,3年目である平成28年度に研究成果を論文として投稿する予定である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に交付された研究費のうち繰り越す研究費に関しては,研究成果発表や論文投稿費に充てる予定である.具体的には,国際会議への投稿を予定しており,採択されればその渡航旅費や会議参加費として使う予定である.
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Research Products
(9 results)