2014 Fiscal Year Research-status Report
超大規模組み合わせ問題に対する進化型多目的最適化の開発とその解分析
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26330269
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 真也 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30388136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 一紀 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30388110)
廣安 知之 同志社大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20298144)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 進化型多目的最適化 / 看護師勤務表作成問題 / Vehicle Routing Problem / 大規模組み合わせ問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の主な研究成果は,看護師勤務表作成問題に関する進化型多目的最適化アルゴリズムに基づくアプローチを完成させたこと,大規模Vehicle Routing Problemに対する新たな探索の枠組みを実装し進展させたことである. 看護師勤務表作成問題に対するアプローチでは,高い局所収束性と局所解からの脱出メカニズムを両立しており,実問題を模倣した幾つかのベンチマークにおいて既存最適化エンジンと比較し圧倒的な探索性能を示すことができた.また,シミュレーション実験では,組み込んだ各メカニズムの探索への影響を詳細に調査し,それぞれのメカニズムの探索への働きについて明らかにすることができた.本研究に関する成果は,論文としてまとめられており進化計算学会論文誌に既に掲載されている. また,大規模Vehicle Routing Problems( VRPs)に対する取り組みでは,問題空間を幾つかの小領域に分割するメカニズムと分割領域を適応的に結合するメカニズムを組み合わせた新たな枠組みを提案し,大規模なVRPsに対して高品質な解候補をより高速に導出可能であることを示した.この研究成果はすでに進化計算学会論文誌へ投稿中であり,その一部の成果についてCEC2015などの国際会議にて発表予定である. 上記以外の進展として,前年度までに取り組んでいた逆問題に対するEMOアルゴリズムの応用に関する検証結果等を論文(情報処理学会MPS研究会論文誌)としてまとめるなどの成果を挙げることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における主な対象である看護師勤務表作成問題,Vehicle Routing Problems(VRPs)に対する効果的なアルゴリズム開発では,当初の想定を越える成果を挙げることができた. 特にVRPsに対しては,カスタマー数数百程度の大規模問題を想定したフレームワークの開発に成功し,幾つかのベンチマークにおいてその有効性も既に検証することができた.一方,看護師勤務表作成問題に対しては一般的な規模(看護師30人程度)の問題に対する効果的なアルゴリズムの開発には成功したものの,大規模の場合についての検討はまだ行えていないのが現状である. 以上より,現在の総合的な進捗としては,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
看護師勤務表作成問題に関しては,現在開発したアルゴリズムをベースとして,大人数の看護師の場合に特化したアルゴリズムの開発に着手する予定である.具体的には,実際の需要として求められている最大の看護師数(50人程度)の問題規模を想定し,現実的な時間内で許容される品質を持つ解候補の導出を目指す. また,Vehicle Routing Problems(VRPs)に対しては数千カスタマー規模の超大規模問題を視野に入れ,元の問題を直接解かずに高品質な解候補を導出する新たな方法論について検討を進める予定である. 上記の研究を進める過程において,より幅広い離散問題全般に対応した大規模問題を効率よく探索する探索の枠組みの検討についても開始したいと考えている.
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Causes of Carryover |
昨年度は,主に国際会議を含めた発表の旅費(学会参加費を含む)および論文投稿費用に使用した.パソコンを含めた備品のリプレイス時期とはずれていたため,新規の物品購入をほとんど行わなかったため次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は,昨年度と同程度の論文投稿費,学会出張のための旅費を見込むとともに,次年度使用額を利用して昨年度控えていた機器備品のリプレイスを行う予定である.
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Research Products
(17 results)