2017 Fiscal Year Research-status Report
ネットワークの階層性を利用した遺伝子ネットワークの同定精度改善に関する研究
Project/Area Number |
26330275
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
木村 周平 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (20342777)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Genetic network / GENIE3 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の手法によって同定された遺伝子ネットワークの同定精度を,階層性を用いることで改善する手法に関しては前年度までに概ね完成したが,その性能に関しては既存の手法1種類を用いて確認したに過ぎなかった.そこで今年度は階層性を用いて既存手法の同定精度を改善する提案手法に対してデータを入力可能な新たな遺伝子ネットワーク同定法の開発を行った. 具体的にはランダムフォレストを用いた遺伝子ネットワーク同定法であり,これまでの手法が時系列の遺伝子発現データのみから遺伝子ネットワーク同定を行っていたのに対し,新たな手法は,時系列データだけでなく定常状態の遺伝子発現データも利用して遺伝子ネットワーク同定が可能な方法である.この手法はHuynh-Thuらによって開発されたGENIE3の拡張となっている.GENIE3はDREAM4 in silico network challengeと呼ばれる,遺伝子ネットワーク同定のコンペティションにおけるチャンピオンアルゴリズムであり,高性能であることが知られている.新たに提案した手法はGENIE3の拡張であり,さらに高性能であることが示された.ただし本提案手法を雑誌論文に投稿したところ,我々の手法を論文に投稿した直後にHuynh-Thuらによって類似した手法の論文が採録となったことを理由に,不採録とされた. しかしながら提案手法はHuynh-Thuらの新たな手法に対してもまだアドバンテージがあるため,論文を再構成して,再度投稿する準備を行っているところである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に本研究の本来の目的である,階層性を用いて既存手法によって同定された遺伝子ネットワーク同定の精度を改善する手法については概ね完成している. 現在は,この手法を用いて実データを解析するために,従来よりも高性能な遺伝子ネットワーク同定法を開発している状態である.そのため研究は概ね順調に進展しているといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
まず,現在開発中の新たな遺伝子ネットワーク同定法を完成させ,次にそれを用いて実際の遺伝子発現データを解析する予定である.実データに関しては連携研究者より既に時系列遺伝子発現データを入手しており,さらに公共データベースより定常状態遺伝子発現データを入手する予定である.
|
Causes of Carryover |
本来,論文を投稿した国際会議CIBCB2017に参加し口頭発表をする予定であり,そのための旅費として残額を使用する予定であった.しかしながら私的理由のための国際会議に参加することができなくなり,その分の旅費が次年度へと繰り越された. 次年度においてはこれまで自費による出張を行ってきた,連携研究者との打ち合わせを繰り越し分で賄うことを考えている.
|